平成25年度活動記録

 
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第111回6月12日(水)福井県立病院 会員発表 「平成23年度胃がん検診結果報告」
平成25年度総会
 
 

第111回研究会

会員発表 平成23年度胃がん検診結果報告 

福井県健康管理協会   西村 宣広さん

福井県立病院      谷嶋 良宣さん

福井県健康管理協会 西村さん

平成23年度に健康管理協会が行った集検にて要精検となり、その後県立病院にて治療された方10名の症例が提示された。
【症例1】
60歳代 男性
アントルム大彎の辺縁不整にて要精検となった症例である。
撮影技師は、透視中に大彎側のラインがスムーズではなく湾入がある点をチェックし、この所見であればⅡc様の変化が出ていることを想定し観察したが、そこに病変はないと判断した。さらに、体下部小彎の隆起様に見える陰影が気になり前壁二重造影を追加撮影したらしい。
精密胃透視を見ても病変がうまく写しだされていない。
結果は胃角部大彎後壁に15×7ミリのⅡc、深達度はmでESDが施行された。
集検時に撮影者が大彎側の所見でⅡc様の変化を想定できたことはさすがであるが、精密胃透視でもうまく写しだせない病変を集検で見つけることは難しかったのか。結果的に早期癌が見つかってホッとする症例であった。
【症例2】
80歳代 男性
M、後壁の隆起性陰影で要精検となっている。
集検の写真では、背臥位二重造影像と振り分け像にて隆起性病変が認められるが、隆起の表面の性状まではわからない。
精密胃透視の写真を見ると、後壁ではなく、体中部前壁に陥凹を伴う隆起性病変が認められた。35×25ミリの2型の癌であった。
集検の前壁二重造影像では病変が写っていない。前壁枕の位置が悪いか、撮影時の観察不足が原因と考えられる。しかし、バリウムが良く付着していたことで、前壁の病変が背臥位でスタンプ像として写りこんでおり、癌の発見につながった症例であった。
【症例3】
80歳代 男性
M、後壁のアレア不整で要精検となっているが、集検の写真を見直すとバリウムの流出がひどく読影が難しい状態である。振り分け像での追加撮影も行っているが、結果的に病変の所にバリウムが流れていない。前年度の集検写真では体中部後壁にヒダの集中を伴う陥凹が写しだされており要精検になっているが精検未受診であった。78×40ミリのⅡcであった。
集検時に前年度の情報がわかっていれば、もう少し有利に撮影を進められたかと思われるが、バス検診ではそれができないので難しい。
【症例4】
60歳代 男性
胃角部前壁のフレッケで要精検となっている。会場より、指摘の場所はバリウムの溜まりによるもので、それよりも背臥位二重造影像にて胃角の開大が認められ、胃体中部~下部にかけての大彎側のラインが不自然であり、病変はその辺にあるのではないかとの声が上がった。
胃角部後壁大彎寄りの10×7ミリのⅡcで深達度はmであった。ESDを施行している。 結果的には他部位チェックで癌が見つかった症例であったが、会場での意見はさすがベテランの読みであった。

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【症例5】
70歳代 男性
胃角部、小彎のフレッケで要精検となっている、集検の写真を見直しても病変が写っているとは思えない。精密胃透視では、背臥位二重造影の第2斜位と圧迫撮影にて胃体下部~胃角部にかけての小彎に病変が認識される。37×15ミリのⅡcでESD施行となった。
集検の写真自体は悪くないのであるが、大きさの割に病変を写しだすことができなかった症例であった。
【症例6】
70歳代 女性
前庭部、小彎の隆起性病変で要精検となった。いびつな形の隆起で表面にバリウム斑があるように見える。Ⅱa+Ⅰ型の早期癌でESDが施行された。
前年度の集検写真を見ると、所見の部位に二重線は認められるが、バリウムの流出により病変が隠れてしまっている。ブラインドが無ければ1年前に発見出来たかもしれない。
【症例7】
壁側不明の隆起性陰影にて要精検となっているが、バリウムの流出が激しく指摘が難しい。会場より前庭部前壁の大彎側のラインが異常なのではないかとの意見が出た。
前庭部小彎前壁に平坦な隆起性病変がありESDが施行されている。X線写真での指摘は困難な症例であった。
【症例8】
70歳代 男性
集検ではM、後壁の隆起性陰影で要精検となっており、そこにも病変は存在したが、実は計3ヶ所に病変がある多発癌であった。
胃体上部~中部の後壁に20×15ミリのⅡa+Ⅱcとその大彎側に2×2ミリのⅡcがあり、前庭部小彎に7×6ミリのⅡaがあったが、前庭部の病変については集検でも精密胃透視でも見つけられていない。全てESDが行われた。

福井県立病院 谷嶋さん

【症例9】
多発癌で今までに何度もESDを繰り返しており、その瘢痕のためにヒダの集中が多くみられる方で、そこを指摘されて要精検となったが、そことは別の場所で癌が発見された症例であった。
【症例10】
切除胃である。胃体上部、後壁の隆起性陰影で要精検となった。集検の写真では、隆起表面に陥凹があるようには見えなかったが精密胃透視では、隆起の表面にバリウムの溜まりがあり陥凹が認められる。3センチ大のⅡa+Ⅱcで、深達度sm2の残胃癌であった。

 

司会者の言葉を借りれば、集検での指摘部分と実際の結果が一致しており、集検、精密胃透視、内視鏡と全ての写真で病変がはっきりと写し出されている症例が理想であるが、なかなか難しい。しかし今回、県立病院だけでも10症例が治療されており、日々の努力が少しずつであっても確実に結果となっている。
年々、ESDが施行される症例が増えており、より早期に発見することの重要性がますます高くなってきていることを痛感した。
そのためには、勉強会等でいろんな症例をしっかり見て、それぞれの形を覚えることで、透視中に病変に気がつく能力を高めることが必要である。

 

平成25年度総会

平成24年度事業報告・会計報告

平成25年度事業計画案

その他

 
文責N,Y 校正K,K
 

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