TITLE:福井県消化管撮影研究会 *&color(Teal){平成25年度活動};記録 [#od040555] CENTER:<<<[[平成24年度活動報告へ>活動記録/24年度記録]] #br CENTER:&color(Maroon){&size(12){内容の詳細は各''開催回数''の所をクリックしてください};}; #br |~平成25年度|CENTER:~開 催 日|CENTER:~会 場|CENTER:~内 容|h |~[[第113回>活動記録/25年度記録#le1649e2]]| 10月2日(水)|福井県立病院 | 第26回日本消化器画像診断情報研究会 愛知大会の紹介 &br;特別講演 「病変を見る目を養う」| |~[[第112回>活動記録/25年度記録#w3b2aa76]]| 8月8日(水)|福井県済生会病院 |会員発表 「ビギナーズセミナーⅠ」 &br;会員発表 「鈎状胃・切除胃の撮影のポイント」| |~[[第111回>活動記録/25年度記録#z32f8b9f]]| 6月12日(水)|福井県立病院 |会員発表 「平成23年度胃がん検診結果報告」 &br;平成25年度総会| #br #br *第113回研究会 [#le1649e2] **第26回日本消化器画像診断情報研究会 愛知大会の紹介 [#s264c192] ***愛知県健康づくり振興事業団 総合健診センター 加納 健次 先生 [#r3105c76] > #ref(aiti.jpg,around,left,nolink,45%) 第26回日本消化器画像診断情報研究会 愛知大会が、平成26年3月1日(土)~2日(日)に開催されるが、その大会長を務められる愛知県健康づくり振興事業団 総合健診センターの加納 健次先生が会の宣伝に来られた。~ #ref(kanou.jpg,around,right,nolink,40%,愛知県 加納先生) 2日間に渡って多彩なプログラムが用意されており、いずれも魅力的な内容であるが、特に興味を引いたのが「VS読影」である。~ これは症例検討を対決方式で行うらしい。~ ただ症例写真を見て病変の当てっこをするのではなく、結果が正解か不正解かは二の次で、結果にたどり着くまでの経緯をいかに理論的に説明できるかを争うらしい。~ どちらのチームの解説が理路整然として分かりやすかったかを、会場の方々に多数決で判定して頂き勝敗を決めるという新しい試みである。~ 全国から8チームが出場し予選を4戦行い、その後、準決勝、決勝と2日間に渡って行われ、賞品も用意されているとのこと。~ 福井県からも参加をお願いしたいとのことなので、当たって砕けろ!の精神で、皆さんぜひ挑戦してみて欲しい。 #br **特別講演 「病変を見つける目を養う」 ~読影B認定試験、まだ見えぬ撮影A認定試験対策について 新撮影法の実際~ [#c269e435] ***(NPO)日本消化器がん検診精度管理評価機構 理事・基準撮影指導講師 [#y39de546] ***富山県厚生連滑川病院 画像診断部 中谷 恒夫 先生 [#dd822383] >富山県からNPO法人 日本消化器がん検診精度管理機構の理事および基準撮影指導講師でおられ、その他にも多くの肩書をお持ちである中谷先生をお迎えし、「病変を見つける目を養う」と題して講演を頂いた。~ #ref(nakatani.jpg,around,left,nolink,50%,富山県 中谷先生) 始めに、「気付く」ことの大切さから話が始まった。追加撮影の必要性は周知の事実であるが、本当に効果的な追加撮影が行われているだろうか。~ そもそも所見は撮っている人間にしかわからないので、ライブ上で見つける必要があるが、そのためには目を養う事が必要であり、読影力をつける事が大切であると述べられた。~ 過去の勉強会で何度も出ているが、馬場先生の講義の中の、読影を学ぶ方法の1番目として、「記憶画像との比較による学習」というものがある。~ この方法だと、胃がんのX線画像を数多く見ていれば、一目見た瞬間に病変の形態を推測でき、類似性を求めるだけで良いという利点はあるが、記憶した画像に遭遇しなければ読影できない。~ という事で、この方法を用いて読影すると、間違ってしまう可能性のある典型例を、ご自身の経験を含めて呈示していただいた。~ ひいらぎ状の辺縁を呈するⅡcの症例を勉強した後に、たまたまバリウム斑のある症例に出会った。バリウム斑の辺縁はひいらぎ状であり、辺縁は浮腫による若干の隆起が見受けられる。圧迫でも陥凹と辺縁のふくらみが確認でき、陥凹の中にはインゼル様の顆粒も見られ、これこそが未分化型のⅡcだと思っていた。~ ところが、内視鏡の結果をみて愕然となる。陥凹と思っていた場所は再生上皮粘膜で修復されており、結果はビランであり、悪性所見は認められなかった。~ それと比較して、分化型のⅡc症例の提示があった。~ どちらも不整型の陥凹があり、周りが隆起している。なのに、片方は良性で、もう片方は悪性である。これをどう判断するのか。~ 背景粘膜を考えて読影していれば、間違う事は無かったはずとの事である。~ 中谷先生は、3回転後の最初の二重造影で背景粘膜を見れば、どこにポイントを置いて撮影していけば良いかが絞ることができ、ある程度、当たりをつけるという事も大切なのではと述べておられた。~ 気付いて、そして顕(あらわ)す。そのためには、がん発生の機序、つまり、どこにどのような癌が発生し、なぜそのような形態になっていくのかを知る事が読影につながるとのことであった。 #br ここから撮影B認定試験について、学会の現状、今後の事業計画、読影B試験の予定についてと話が続き、撮影A認定の試験内容については、初めて詳細が報告された。平成27年2月に第1回目の試験を行う予定で計画が進められているが、9月になるかもしれないとの事である。~ 試験の内容や合格のコツについても解説があったが、かなり高いレベルが要求されるようだ。 #br 続いて症例呈示である。~ ヒダの集中を伴う陥凹性病変で、陥凹内には顆粒状の陰影が認められる。背景粘膜は胃底腺領域。実は意外に癌の範囲が広いという難しい症例であった。~ 術中に取り出した切除標本を手に持ち、指で触って固さを感じ、伸ばしてみて粘膜の伸び具合を確かめている様子や、「芋掘り」と呼ばれるリンパ節のマッピングを行っている様子のビデオが流れた。日頃見る機会の少ない珍しい映像だけに、皆、興味津々で見ていたようである。~ そして切除標本とX線画像とを付き合わせて対比する。このように、一つの症例に対して、とことん追求する姿勢と努力とが読影力につながっていくのであろう。~ 結果は3.5×2.5㎝のⅡcでsig>por2 壁深達度はpT1b2 であった。 #ref(kaijou113.jpg,around,right,nolink,50%) #br 中谷先生は病理標本を見る訓練もされていて、私たちにも病理標本が読めると一層楽しくなるからと勉強することを勧められた。~ せめて、それぞれの組織型が、どのような細胞の形態をしているかくらいは目に焼き付けて覚えておいた方が良いとのことである。 #br さらに2例の症例の提示があったが、最後の症例は、4回転を行っても粘液がべったりと糸のように筋を引いている胃で、この状態で撮影した写真では何も所見は写っていなかった。~ しかし、これではダメだということで、7回転後にやっと粘液が落ちて粘膜が出てきたら、ヒダの集中が現れて、さらに、観察を続けると、その近くに、もう1つ別のヒダ集中が認められたという症例であった。~ 4回転後の写真と、7回転後の写真では、とても同じ人の粘膜とは思えない程に、7回転後の写真はバリウムの付きが良く、粘膜の微細な構造がはっきりと写しだされていた。~時々、このような粘液ベッタリの胃に遭遇するが、こんな胃だからしょうがないと胃のせいにしていた私だったら、この所見は見つけることができなかった訳で、胃透視と向き合う姿勢を考え直す良い機会になった。~ 手間を惜しまないことの大切さを教えて頂いた。非常に私の心に残る症例であった。~ たぶん、他の皆も同じような思いをされたのでないかと思う。~ 中谷先生には、お忙しいところ福井までお越しいただき、貴重な症例やご自身の経験まで、惜しむことなく披露してくださったことに感謝し、この場を借りてお礼申し上げます。 #br RIGHT:文責N,Y 校正K,K #br *第112回研究会 [#w3b2aa76] **会員発表 ビギナーズセミナーⅠ [#y42a4fad] ***福井県予防医学協会 平田 智嗣さん [#n4898db4] >基準撮影法とは、画質の安定とさらなる向上を目的に規定されたもので、必要かつ最小限の体位で組み立てられた撮影法である。~ そのコンセプトは、手技が簡明で診断に必要な最低限の画質が得られることと、精度管理の基盤となり成果が期待できることの2つである。~ いわば、いつ、どこで、誰が撮っても同じような精度の写真が期待できる撮影方法ということになる。~ #ref(hirata112.jpg,around,left,nolink,40%,福井県予防医学協会 平田さん) 今回、この基準撮影法について、世話人の平田さんより「ビギナーズセミナー」と題して発表をしていただいた。~ まず、基準撮影法の解説に入る前に、胃の各部位の名称の解説からはじまり、二重造影の原理と題して、背臥位、仰臥位、右側臥位、左側臥位など、それぞれの体位時での胃の形とバリウムの位置との関係をCT様の輪切りのイラストでわかりやすく表現してくれた。~ 次に、対策型と任意型検診について、各撮影法での標的部位と手技の要点について一通りの説明がされ、見落としのない検査を行い、正常か異常かを判別できる写真を撮影するように努めるべきであると結論付けていた。~ その後、被ばくについての解説が続き、さらに接遇についての話題にも触れていた。ホスピタリティにおいては、第一印象が信頼への第一歩である。検査前、検査中、検査後、それぞれの状況に応じた声かけや気配りで受診者への不安を軽減してあげることが、安全で質の高い検査につながるとのことであった。~ #br その後、任意型検診の撮影法について、スライドを見直しながら会場でのデスカッションとなった。~ 食道撮影は立位で上部と下部とを膨らんだ状態で撮影することとなっているが、撮影体位としてはホルツクネヒト腔が描出される位置が望ましい事や、病変を見つけることの難しさが話題となった。~ 続いて、バリウム飲用後に台を倒していく時の体位について、また、背臥位二重造影前の水平位で3回転ローリング時のバリウムの十二腸への流出についての質問があった。~ また、前壁二重造影については、逆傾斜の角度、逆傾斜時の体位、枕を入れるタイミング、枕の位置、硬さ、厚みなど多くの質問や意見が飛び交い、皆がこの撮影に苦心している様子がうかがわれた。~ #ref(112kaijou.jpg,around,right,nolink,40%) 胃上部の振り分け像では、標的部位と体の動かし方についての意見が交わされた。また、会場からは、統計上はECJ直下の小彎には2型の見逃しが多いので、穹窿部にバリウムをしっかりつけて意識して観察する必要があるとの意見が出た。~ 他にも、圧迫撮影について、圧迫筒を当てる位置、強さ、押し方について、また圧迫が効かない場合にどうするか等、様々な話題が広がった。~ さらに発泡剤を水で飲むかバリウムで飲むかについて、いくつかの考えが語られた。~ 透視中での病変の見つけ方についての質問が出たが、会場の指導員より、単に基準撮影法をこなしているだけでは、所見が見えてこない恐れが多く、それを予防するためには、まず、見たい部位にバリウムを流して病変がないかどうかを確認してから、再度同じようにバリウムを流して撮影というように、観察と撮影とを2段階に分けて行うことで病変を見逃さないようにしているとの意見が出された。これについては、会場からも納得の声が多く上がっていたようだ。~ 今回は、司会進行がうまく会場を仕切ってくれたので、単に基準撮影法の解説で終わることなく、和気あいあいと様々な意見が飛び交った。初心者の会員にとっては、結構ベテランの技を耳に入れることができ、充実した時間になったのではないかと思われた。~ 確かに基準撮影法はそのコンセプトのごとく、決まり通りに撮影すれば、最低限の画質は得られると思われる。~ しかし、それはあくまでも最低限である。これを踏まえた上で、常に見落としのない精度の高い検査を行うためには・・・やはり日々の努力である。近道はない。 #br **会員発表 「鈎状胃・切除胃の撮影のポイント」 [#v3744466] ***福井社会保険病院 和田 宏義さん [#t86b0257] ***福井県立病院 谷嶋 良宣さん [#o57ee36c] >胃は鈎状胃だけではなくいろんな胃形があり、そこが実践において難しい所である。~ 基準撮影法は体位で基準化することで、胃がん検診の効率化と二重造影像の有効性を計ってきたが、これでは病的診断に有意な胃角正面像が得られにくいとのことで、1枚目の写真は身体の正面位でも胃角の正面像でも良い事になっている。~ #ref(wada112.jpg,around,right,nolink,40%,福井社会保険病院 和田さん) 身体の正面位を基準にする場合と胃角の正面像を基準にする場合とでは見えてくる部位が違ってくるとので、椎体の角度を気にして、第1斜位、第2斜位を撮影するのも一つの方法であると説明されていた。鈎状胃に比べて横胃の場合では強第1斜位を追加する必要があり、胃角正面像を基準とした場合、強第2斜位を追加する必要があるかもしれない。~ 症例呈示で1年前との写真が比較されていたが、各施設で身体の正面位を基準にするのか、胃角正面像を基準にするのかを統一した方が、比較読影の際に困らないのではないかと思われた。~ 背臥位で捻じれた胃の胃角を写すために、前底部を圧迫筒で押さえてあげることで前庭部の小彎が伸びてきれいに写しだされる方法が紹介された。~ 検診であれば、腹臥位二重造影の方が捻じれている胃でも胃角を出しやすいので、背臥位正面位で胃角が出ていなくても、腹臥位で胃角が出ていれば充分に成り立つのではないかとのことであった。~ また、前壁二重造影で、適切に枕を使用することで病変が発見出来た症例を多く呈示して頂き、前壁二重造影の大切さが改めて感じさせられた。~ #br その後切除胃の話に移った。バリウムが流れやすい事を念頭においた撮影の注意点についての説明があり、今、社保で取り入れている対策型と任意型検診の撮影体位が紹介された。~ 特徴としては最初に一口バリウムを飲んでいただき、フルターンを繰り返して胃粘液と共にバリウムを十二指腸へ流してから、再度、バリウムを飲んで頂き、その後はハーフターンにて検査を行うことである。~ 残胃癌は噴門部に一番多く、次いで小彎縫合部・吻合部に多いとのことで、写真を撮るときには癌が出来やすい場所を重点的に観察することが大切であるとまとめていた。~ 最後に、吻合部の口側にある病変など2例が紹介された。 #br 県立病院の切除胃の写真が呈示された。~ 時間の関係で、ざっと写真を流すだけで終わってしまい、せっかく準備していただいたのに申し訳なかったです。 #br RIGHT:文責N,Y 校正K,K #br *第111回研究会 [#z32f8b9f] **会員発表 平成23年度胃がん検診結果報告 [#j9d2f6e0] ***福井県健康管理協会 西村 宣広さん [#d1cc58f8] ***福井県立病院 谷嶋 良宣さん [#o2677c70] > #ref(nisimura111.jpg,around,right,nolink,40%,福井県健康管理協会 西村さん) 平成23年度に健康管理協会が行った集検にて要精検となり、その後県立病院にて治療された方10名の症例が提示された。~ 【症例1】~ 60歳代 男性~ アントルム大彎の辺縁不整にて要精検となった症例である。~ 撮影技師は、透視中に大彎側のラインがスムーズではなく湾入がある点をチェックし、この所見であればⅡc様の変化が出ていることを想定し観察したが、そこに病変はないと判断した。さらに、体下部小彎の隆起様に見える陰影が気になり前壁二重造影を追加撮影したらしい。~ 精密胃透視を見ても病変がうまく写しだされていない。~ 結果は胃角部大彎後壁に15×7ミリのⅡc、深達度はmでESDが施行された。~ 集検時に撮影者が大彎側の所見でⅡc様の変化を想定できたことはさすがであるが、精密胃透視でもうまく写しだせない病変を集検で見つけることは難しかったのか。結果的に早期癌が見つかってホッとする症例であった。~ 【症例2】~ 80歳代 男性~ M、後壁の隆起性陰影で要精検となっている。~ 集検の写真では、背臥位二重造影像と振り分け像にて隆起性病変が認められるが、隆起の表面の性状まではわからない。~ 精密胃透視の写真を見ると、後壁ではなく、体中部前壁に陥凹を伴う隆起性病変が認められた。35×25ミリの2型の癌であった。~ 集検の前壁二重造影像では病変が写っていない。前壁枕の位置が悪いか、撮影時の観察不足が原因と考えられる。しかし、バリウムが良く付着していたことで、前壁の病変が背臥位でスタンプ像として写りこんでおり、癌の発見につながった症例であった。~ 【症例3】~ 80歳代 男性~ M、後壁のアレア不整で要精検となっているが、集検の写真を見直すとバリウムの流出がひどく読影が難しい状態である。振り分け像での追加撮影も行っているが、結果的に病変の所にバリウムが流れていない。前年度の集検写真では体中部後壁にヒダの集中を伴う陥凹が写しだされており要精検になっているが精検未受診であった。78×40ミリのⅡcであった。~ 集検時に前年度の情報がわかっていれば、もう少し有利に撮影を進められたかと思われるが、バス検診ではそれができないので難しい。~ 【症例4】~ 60歳代 男性~ 胃角部前壁のフレッケで要精検となっている。会場より、指摘の場所はバリウムの溜まりによるもので、それよりも背臥位二重造影像にて胃角の開大が認められ、胃体中部~下部にかけての大彎側のラインが不自然であり、病変はその辺にあるのではないかとの声が上がった。~ 胃角部後壁大彎寄りの10×7ミリのⅡcで深達度はmであった。ESDを施行している。 結果的には他部位チェックで癌が見つかった症例であったが、会場での意見はさすがベテランの読みであった。~ #ref(kaijou111.jpg,around,right,nolink,50%) 【症例5】~ 70歳代 男性~ 胃角部、小彎のフレッケで要精検となっている、集検の写真を見直しても病変が写っているとは思えない。精密胃透視では、背臥位二重造影の第2斜位と圧迫撮影にて胃体下部~胃角部にかけての小彎に病変が認識される。37×15ミリのⅡcでESD施行となった。~ 集検の写真自体は悪くないのであるが、大きさの割に病変を写しだすことができなかった症例であった。~ 【症例6】~ 70歳代 女性~ 前庭部、小彎の隆起性病変で要精検となった。いびつな形の隆起で表面にバリウム斑があるように見える。Ⅱa+Ⅰ型の早期癌でESDが施行された。~ 前年度の集検写真を見ると、所見の部位に二重線は認められるが、バリウムの流出により病変が隠れてしまっている。ブラインドが無ければ1年前に発見出来たかもしれない。~ 【症例7】~ 壁側不明の隆起性陰影にて要精検となっているが、バリウムの流出が激しく指摘が難しい。会場より前庭部前壁の大彎側のラインが異常なのではないかとの意見が出た。~ 前庭部小彎前壁に平坦な隆起性病変がありESDが施行されている。X線写真での指摘は困難な症例であった。~ 【症例8】~ 70歳代 男性~ 集検ではM、後壁の隆起性陰影で要精検となっており、そこにも病変は存在したが、実は計3ヶ所に病変がある多発癌であった。~ 胃体上部~中部の後壁に20×15ミリのⅡa+Ⅱcとその大彎側に2×2ミリのⅡcがあり、前庭部小彎に7×6ミリのⅡaがあったが、前庭部の病変については集検でも精密胃透視でも見つけられていない。全てESDが行われた。~ #ref(tani111.jpg,around,left,nolink,40%,福井県立病院 谷嶋さん) 【症例9】~ 多発癌で今までに何度もESDを繰り返しており、その瘢痕のためにヒダの集中が多くみられる方で、そこを指摘されて要精検となったが、そことは別の場所で癌が発見された症例であった。~ 【症例10】~ 切除胃である。胃体上部、後壁の隆起性陰影で要精検となった。集検の写真では、隆起表面に陥凹があるようには見えなかったが精密胃透視では、隆起の表面にバリウムの溜まりがあり陥凹が認められる。3センチ大のⅡa+Ⅱcで、深達度sm2の残胃癌であった。~ #br 司会者の言葉を借りれば、集検での指摘部分と実際の結果が一致しており、集検、精密胃透視、内視鏡と全ての写真で病変がはっきりと写し出されている症例が理想であるが、なかなか難しい。しかし今回、県立病院だけでも10症例が治療されており、日々の努力が少しずつであっても確実に結果となっている。~ 年々、ESDが施行される症例が増えており、より早期に発見することの重要性がますます高くなってきていることを痛感した。~ そのためには、勉強会等でいろんな症例をしっかり見て、それぞれの形を覚えることで、透視中に病変に気がつく能力を高めることが必要である。 #br **平成25年度総会 [#cc4161cc] ***平成24年度事業報告・会計報告 [#l3e3df08] ***平成25年度事業計画案 [#ba9ad872] ***その他 [#i7d41081] #br RIGHT:文責N,Y 校正K,K #br //---記述担当山川--// |