平成25年度活動記録

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平成25年度開 催 日会  場内  容
第115回3月5日(水)福井県済生会病院 メーカー講演 「消化管検査におけるFPD搭載透視システムの適用~FPD関連技術と消化管検査への適用について~」
会員発表「新胃X線撮影法ビデオ」の作成
第114回12月4日(水)福井県立病院 医師講演 「当院における胃癌治療~X線画像の関り~」
会員発表「鈎状胃・切除胃の撮影の注意点」
第113回10月2日(水)福井県立病院 第26回日本消化器画像診断情報研究会 愛知大会の紹介
特別講演 「病変を見る目を養う」
第112回8月8日(水)福井県済生会病院 会員発表 「ビギナーズセミナーⅠ」
会員発表 「鈎状胃・切除胃の撮影のポイント」
第111回6月12日(水)福井県立病院 会員発表 「平成23年度胃がん検診結果報告」
平成25年度総会
 
 

第115回研究会

メーカー講演 「消化管検査におけるFPD搭載透視撮影システムの適用」 ― FPD関連技術と消化管検査への適用について ―

株式会社 日立メディコ XR事業部 XRシステム本部 XRシステム設計部 鈴木 克己 先生

               XR事業部 XR営業部 アプリケーショングループ 嶋田 智昌 先生

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前半はXRシステム本部XRシステム設計部の鈴木さんより、FPDの基本構造と最新画像処理技術についての話がされた。
現在、日立メディコでは第3世代のFPDであるVISTA Panelが使われているが、その特徴として ①広いダイナミックレンジを有する。 ②透視画像のように少ない線量でもノイズ特性が優れている。 の2点があげられる。
第2世代のFPDは、従来のI・Iシステムに比較して約1.2倍のダイナミックレンジを有していたが、それでも斜位撮影で明瞭に描出できない部分があったり、撮影条件に制約が生じたりして充分に満足できないとの指摘があった。また、透視画像において低線量域ではFPD自身の回路系ノイズが生じてS/N比が急激に低下するなどの特性を持っていた。
そのため、第3世代では第2世代と比較して約2.5倍の非常に広いダイナミックレンジを有するFPDの開発が行われ、様々な画像において適切なX線条件で撮影する事ができ、また、その後の画像処理が施しやすくなっているらしい。
また、透視画像においては、横方向のアドレスラインを切り替えながら横方向の画素を一気に読み出すことで高速の画像収集を行っているが、電源や隣の画素に蓄積されたノイズがアドレスライン方向に伝搬してノイズが発生しやすく、これがノイズによる劣化の一原因とされていた。
第3世代ではアドレスラインを切り替える際にノイズの原因となる浮遊容量の最適化を行ったり、データ読み出し時にノイズを抑える基板の新規開発を行ったりすることで、アドレスライン方向のノイズを大幅に低減することが可能になったようである。
FPDの画像を評価する指標の一つにDQEと言うものがある。これは簡単に言えば、例えば100入ったX線量に対して、どれだけ画像信号として表す事ができるかを示す指標である。
定義式によると、DQEの値は解像力を示すMTFと、ノイズを表す指標との2つによって現わされることになる。ここで注意したいのが、解像力が非常に高くてノイズ精度が悪いものと、解像力がそれほど高くないがノイズ精度が良いものとをそれぞれ定義式で計算すると同じ値になってしまうことである。
DQEは画質性能を表す上で重要な値ではあるが、同じ値でも検出器それぞれによって内容は異なることがあり、単純に値だけを見るのではなく実際の画像を見た上での評価が重要であるとのことであった。
次に、詳細透視モード機能の説明をされた。
通常の透視画像は25~30フレーム/秒という高速収集を行っているためFPDの構造上、1画素ずつを読んでいくと時間的に間に合わないので4画素(2×2)または9画素(3×3)を1つの画素として読み込んでいる。そのため、撮影画像に比べて透視画像は画素サイズが大きくなり解像力特性は悪くなる。
それに対して詳細透視モードは撮影画像と同等の解像力特性の画像を高速収集できるので、透視時に細かい所を見たい時には詳細透視モードを使う事で撮影画像と同等の高解像力の透視画像が得られるとのことであった。
続いてノイズ低減処理の話に移った。透視画像において入射されるX線量が少ないとノイズ発生が問題となり、各社とも透視画像のノイズ低減は非常に重要な課題となっている。
日立の従来のノイズ低減処理技術であるリカーシブルフィルタは時間軸方向に流れてくる透視画像を加算することで大きなノイズ低減効果が得られていた。
しかし動きがあるものに対しては透視中に残像として認識されるという課題があった。そこで、新たなノイズ低減処理として開発されたのがANRという手法である。
ANRは透視画像におけるノイズの特徴として、入射X線量が少ないため画像中に孤立して特異的にノイズとして判別できるものが含まれていることがわかったので、ある「揺らぎ幅」の中で孤立している点だけを除去し、それ以外は信号成分と判断できるのではないかとの考えに基づいて開発された技術である。
入射X線量や撮影手技によって判断基準の閾値をアダプティブに制御することができ、フィルターマスクのサイズを設定することにより透視画像においても処理が充分に適用できるらしい。
何も処理をしていないオリジナルとANR処理を行ったものとを比較すると、特に低線量領域で約25倍のS/N比改善効果が認められており、処理後の解像力特性を評価しても、診断に必要とされる信号成分には影響を与えずバックグラウンドのノイズだけを低減できているとのことであった。
ANR処理でノイズが少ない画像になることで、その後の周波数強調処理やダイナミックレンジ圧縮処理など様々な画像処理がかけやすくなり、非常に診断能の高い透視画像が提供できるようになっているらしい。
このノイズ低減処理においてはソフトウェアをベースにしているので、新しい技術が搭載されていないシステムでも、ソフトウェアのバージョンアップを行う事で新技術の搭載が可能であるとのことであった。

 
日立メディコ 嶋田先生

後半はXR営業部アプリケーショングループの嶋田さんより、実際の消化管検査への臨床適応についての話に移った。
上部消化管検査は体位変換が多いので、X線条件の変動が多くなりコントラストを一定に保つ事が難しいと言われている。その対応として、透視画像ではANR処理とダイナミックγ処理を用いて改善をはかっており、撮影画像では、まずデータ収集を行い、DRC処理を行い、エッジ強調のフィルタ処理を行い、最終的にコントラスト調整のダイナミックγ処理を行って瞬時に撮影画像を表示している。
DRC処理は高濃度部を圧縮し、低濃度部を伸長することで粘膜面のコントラストを維持したまま黒つぶれを補正している。ダイナミックレンジが広がったことで、よりこの処理が有効に行われてきているようである。
フィルタ処理については、ボケ画像を作成し、オリジナル画像からボケ画像を引いた輪郭強調の成分をオリジナルに足すことで強調処理をかけている。ただ、強調をかけすぎると軟部組織やバリウム層の部分がザラつくという短所があり、それを回避するために濃度値別に強度を制御することで、軟部組織やバリウム層は強調を少なめにすることでザラつきを抑えることができ、胃小区像については強調の値を好みに設定ができるとのことである。
最後の処理であるダイナミックγであるが、γは入力の値を変換する曲線で、入力と出力の値を変換させることで見かけ上のコントラストが変わって見える。日立のFPDは、例えば二重造影像などでは肉眼で認識しやすい階調部にコントラストの幅を持たせ細かく表現するなど、撮影画像1枚1枚に対して計算を行い適正なγを割り当てて出力を行っており、体位変換が多い消化管検査でも自動的にγが変換することで濃度変化が出ないように調整ができているとのことであった。

 

画像の形式であるが、装置に入っている段階では、画像はDICOMではなく日立独自の画像データ方式で保管されており、これにダイナミックγをかけて表示している。これは、DICOM変換前のデータで保存することによって、装置内で画質の微調整等が行いやすいためである。DICOM送信をおこなう画像はダイナミイクγをかけた画像をDICOM化し送信しており、どのPACS、どのビューアでも同じように見えるはずである。しかし、ビューアが変わると同じ画像を表示しても同じに見えない場合があるのは、モニタ自体が持っているγカーブが違うために画像のコントラストが違って見えるからだそうである。
この場合はいずれかのモニタに合わせた調整を行う必要が出てくるが、日立の装置のモニタはDICOM Part14という異なるモニタ間の見え方をあわせる規格に則ったものになっているので、ビューアのモニタ側もこの規格に準拠したものを使用することが理想であるとのことであった。

 

この後、オプション製品VC-1000の紹介として、透視画像と他の内視鏡や超音波、ビデオカメラ等の画像を同時に録音できるPicture in Pictureの紹介がされ、それに伴うオートスイッチング、マニュアルスイッチング、AVI形式でPCでの録画や編集ができるPC File Formatなどの機能についても説明があった。

 
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その後質疑応答に移った。
・オプションのAVI形式での画像は、カラーモニターで透視像と内視鏡像を表示していると透視画像の画質が落ちるのではないか、また、DICOM化には対応できるのか。
・1人当たりの透視線量、撮影線量について積算値での表示は可能であるのか。
・詳細透視モードの選択は術者が行うのか、その時の線量は自動的に多くなると思うが、詳細透視モードを選択するのと、単に線量を上げるのとではどちらが画質は良くなるのか。
・画像データ量とモダリティ装置で持っているモニタの表示能力とビューアのモニタでの表示能力についての関係について。
など、様々な質問があった。
現在のFPDは第2世代と比較しただけでも、どんどん新しい技術が開発されており、その進化には目を見張るものがある。
現在日立からは3タイプのFPDを搭載した4種類の透視撮影台がラインアップされており、それぞれの特徴を良く理解して、使用目的に合ったものを選び、その機器の持っている機能を最大限に生かすための知識を得て使用する事が重要であると思った。

 

会員発表 「当院における個別胃がん検診の状況と新胃X線撮影法ビデオについて」

高野病院  松澤 和成 さん

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県内の様々な施設で個別胃がん検診が行われているが、はたして目的を満たすだけの検診が出来ているのだろうか。
新胃X線撮影法での手順だけが取り沙汰されて、バリウムが流れてしまい読影に困るような写真も見受けられるのではないか・・・ということで、発表者は2010年度~2013年度の過去4年間に自施設で行った個別胃がん検診の検討を行った。
要精検率が高い理由については、母数が少ない事と高齢者が多い事が挙げられるが、写真の不適切も理由の一つではないかということで、要精検の内訳について解析を行った。
すると、最初の2年間は辺縁不整でチェックの要精検が半分を占めていたが、後の2年間は粘膜病変でのチェックに要因が変化していることが判明した。
その理由として個別胃がん検診が始まって間もない頃は撮影に不慣れでバリウムが小腸に流れたり、バリウムの付着不良があったりしたが、術者のレベルが向上した事で粘膜描出能が向上し、隆起・陥凹性病変が見つかるようになった事と、バリウム製剤の見直しを行った事を挙げていた。
このように胃がん検診の質を向上させるためにもビデオの提供を進めていかなければならないが、せっかくビデオを作るのであるならば、手順の紹介だけでなく、目的とする写真や体位の紹介や画像の評価方法を加えてはどうかということで話をまとめていた。
昨年に作成されたビデオを元に手を加え、なるべく早い内に完成させて各施設に配布できるようにしたいものである。

文責N,Y 校正K,K
 
 
 

第114回研究会

医師講演 「当院における胃癌治療~X線画像の関り~」

福井県病院  宮永 太門 先生

福井県立病院 宮永先生

今回は、福井県立病院外科の宮永太門先生に、主に現在行っている胃癌治療について講演して頂いた。
胃癌の多くは無症状であり、それらは集団検診、個別検診や人間ドック等で発見されている。
だが、検診の機会が減る定年後の年代に癌が発症しやすいので、この年代の方々に検診を受けて頂く事が課題であると述べておられた。
検診でのがん発見率は0.1%程度で、福井県では年におよそ800人の胃癌が発見されていることになる。
通常は胃癌取扱い規約と胃癌治療ガイドラインを基に診断と治療を進めていくが、そこに加わるもう1つの因子が患者さんの状態であり、これらを合わせて治療の方針を決めていくとのことである。
日本では昔から胃癌研究が発達しており、胃癌取扱い規約においては、リンパ節転移の区分などは場所も含めた細かくて難しい規約があったが、「日本の胃癌診療におけるガラパゴス化」と揶揄されるように世界では受け入れられず、現在では非常にシンプルな欧米のUICCによるTNM分類に合わせてリンパ節の転移個数のみで評価するように改訂されている。

 

胃の手術は標準治療である定型手術、機能温存を目的とした縮小手術と姑息手術と大きく3つに分けられるが、最近は開腹胃切除が減り、内視鏡切除と腹腔鏡下胃切除が増えており、県立病院でも2012年は内視鏡切除が137件となり、胃癌手術の半数以上を占めたそうである。
手術より内視鏡切除で治るにこしたことはないが、胃癌には多発癌が2割程度あるため、残胃に癌ができる可能性があることや、内視鏡切除ではリンパ節がとれないことなどの短所もあり、注意も必要であるらしい。
その例として、分化型の21㎜の潰瘍があるm癌でESD適応拡大症例であったが、カンファレンスの結果手術を行ったところ、リンパ節に転移が見つかったという珍しい症例を呈示された。
また、検診で胃体下部小彎に20㎜大の隆起性病変が見つかり、SMmassiveと診断されたが、80才代との高齢であったためESDを施行したところ、穿孔し最終的に腹膜播種が起こり亡くなったという論文も呈示された。

宮永先生講演

その後、定型手術についての説明があり、それぞれの術式とその問題点について解説して頂いた。どうやって縫合しているのか?よく食べられる術式はどれか?など私たちが疑問を持つような事柄を取り上げて説明してくださった。
意外であったのが、ある程度胃を切除した場合、残った胃の大きさと食事量は比例せず、胃を大きく残しすぎると逆に食べられなくなるらしい。その理由も説明していただいたが、それを聞いて素人のような感想で申し訳ないが、本来、人間の身体というのは実にうまくできているものだとつくづく感じてしまった。
早期胃癌、進行胃癌に対する術式は病変位置によって決まるが、特に早期胃癌においては、できるだけ術後のQOLが高くなるよう、可能な限り噴門を残す方針を取り入れているそうである。 続いて腹腔鏡下手術についての話に移った。これはESDができないような早期胃癌を対象としている。
現在、ガイドラインの取り扱いでは臨床研究として扱われているが、今、話題の非常にもてはやされている術式である。拡大視ができるので、手術の精密度が上がるということと、キズが小さくて済むという利点はあるが、治癒率の面からは開腹手術に比較してそれほどのメリットがある訳でもないとのことであった。

第114回

続いて化学療法の話に移った。抗癌剤で2カ月寿命が延びたら、学会発表ものの大騒ぎになるらしいが、患者さんの身になってみれば、大喜び出来るようなレベルではない。
がん診療レジデントマニュアルによれば、胃癌のがん薬物療法の有効性はC群ということで「症状改善が期待できる」程度のレベルであるが、抗癌剤で癌が消えたという珍しい症例の提示があった。先生よれば100人に1人かそれよりも厳しいくらいの確率であるらしい。
抗癌剤の副作用は個人差が大きく、年齢や男女別や体格とは全く関係ないらしいが、無理をしてまで抗癌剤治療を行う必要はないというのが先生のご意見であった。
ただ、「もう治療の方法がありません・・・」という状態になった時に、最後まで戦いたいという思いの患者さんと、戦ってもかえって命を短くするのでは・・・と懸念する医療従事者との思いには大きな差があり、日々の診療では、何が正解なのか迷いながら苦悶している患者さんの人生と向き合うことも多いであろうと思われる。
こればかりは数値で区切ったり、ガイドラインのように区分したりできる訳でもなく、答えが出ないことも多いと思われるが、精神的にも肉体的にも不安定な患者さんを少しでも助けてあげる為には緩和ケアが必要であり、チーム医療によりそれぞれのスペシャリストが患者さんを支えてあげるべきであると訴えられた。

 

先生はESDと腹腔鏡切除の動画も用意してくださっており、日頃見られないような映像を楽しみにしていたのだが、会場のプロジェクターが作動せず非常に残念であった。
でも、胃癌治療について、知っているようで知らなかった事や、外科のドクターならではの日々の診療に対する考えや、患者さんに対する思いなど、非常に凝縮された内容で、あっという間の1時間であった。
お忙しい中、講演のために時間を割いて下さり、また、非常に聞きやすい声で、時にはクイズ形式も交えて楽しい講演をして下さりありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。

会員発表 「鉱状胃・切除胃の撮影の注意点」

福井県社会保険病院   和田 宏義さん

福井社会保険病院 和田さん

1月に検診学会の東海北陸支部放射線研修会主催の研修会が福井県にて行われるが、その時に和田さんが講義を行うことになっている。今回は、そのプレ講演という形で行った。
まず、緊張状態の違いによる胃の形の紹介があった。鉱状胃は日本人に多い形であるが、胃の歪みが大きいため血流が悪くなり、その部分に潰瘍ができやすくなるらしい。
それに対して牛角胃は欧米人に多く、胃液の分泌が多く十二指腸に流れ込みやすいため、十二指腸潰瘍が多いと言われているらしい。
宮永先生によると、確かに欧米人には牛角胃が多く、牛角胃の人に十二指腸潰瘍が多いのは事実であるらしいが、その原因が胃の形によるものかどうかはわからないとのことであった。
鉱状胃の撮影であるが、基準撮影法で撮っても、必ずしも見逃しの無い画像を提供できているわけではなく、あくまでも最低限の撮影体位を示したものに過ぎないとのことで、任意撮影で補ったり、病変があれば追加撮影を加えたりする必要がある。
検査前には体位変換の方法や注意事項などを丁寧に説明して納得してもらうことで、受診者のストレスを解消し、胃の蠕動やねじれの解消にも良い影響があるようである。
発泡剤の飲み方についても、時には受診者の希望に合わせているとのことで、コミュニケーション力は撮影技術力につながっていくと述べた。

第114回

続いて検診で体部小彎側の病変を見逃した症例が提示され、なぜ見逃されたのかを検討した。胃体部の小彎側をしっかり造影する為には意識付けが必要とのことで、それなりではなく造影を意識した写真を撮りたいものであるとまとめていた。
また、次の症例は前庭部大彎側の病変であったが、潰瘍を伴わないタイプの病変ではヒダの集中が存在せず、浅い陥凹しか直接的な所見がないので、淡いバリウムの溜まりと胃小区模様の変化をとらえることが重要であり、見つけ出す事の難しさが感じられる症例であった。
ただ3回転して撮れば良いという訳ではなく、バリウムが移動する最中に「溜まり・はじき」を感じるような観察法の構築が必要であり、背景粘膜が評価できる二重造影、バリウムの厚みを変えた薄層像、強さを変えた圧迫などの撮影技術を用いて診断できる画像を作らなければならない。
最終的には受診者の方にいかにうまく動いてもらえるかが重要で、ひと手間の努力を惜しまないことが良い検査に結び付くとのことであった。
まとめとして、症例をたくさん見てスケッチにて所見の拾い上げを確立し、二重造影を過信せずに、一例一例大事に検査をして下さいと付け加えた。

 

続いて胃がん検診における術後胃の撮影についての話に移った。
残胃癌のX線診断が難しい原因、それに対する対策についての話があった。
切除胃の撮影においては、少量のバリウムでは穹窿部を充分に洗えず厳しいものがあるが、できるだけ二重造影法で大きなものを見逃さないように心掛ける必要がある。
宮永先生によれば、残胃の癌がどこに多いかについては場所による差が無く、普通の胃で胃癌がみつかる場所と同じであり、昔は胆汁逆流などで吻合部に癌ができやすいと言われていたが、今はその考えは否定されているそうである。やはり小彎や後壁にできやすいが、最近は高齢化によって噴門腺領域の癌が増えているとのことで、そこもしっかり観察して欲しいと述べておられた。
その後症例呈示があった。残胃に見つかった32×21㎜のⅡc+Ⅱaの未分化型の癌であった。
講演者の和田さんは、1月の講義に向けて準備が大変であると思われるが、今回の発表にさらに磨きをかけて、当日は素晴らしい講義を提供して頂けることを期待している。

 
文責N,Y 校正K,K
 

第113回研究会

第26回日本消化器画像診断情報研究会 愛知大会の紹介

愛知県健康づくり振興事業団 総合健診センター  加納 健次 先生

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第26回日本消化器画像診断情報研究会 愛知大会が、平成26年3月1日(土)~2日(日)に開催されるが、その大会長を務められる愛知県健康づくり振興事業団 総合健診センターの加納 健次先生が会の宣伝に来られた。

愛知県 加納先生

2日間に渡って多彩なプログラムが用意されており、いずれも魅力的な内容であるが、特に興味を引いたのが「VS読影」である。
これは症例検討を対決方式で行うらしい。
ただ症例写真を見て病変の当てっこをするのではなく、結果が正解か不正解かは二の次で、結果にたどり着くまでの経緯をいかに理論的に説明できるかを争うらしい。
どちらのチームの解説が理路整然として分かりやすかったかを、会場の方々に多数決で判定して頂き勝敗を決めるという新しい試みである。
全国から8チームが出場し予選を4戦行い、その後、準決勝、決勝と2日間に渡って行われ、賞品も用意されているとのこと。
福井県からも参加をお願いしたいとのことなので、当たって砕けろ!の精神で、皆さんぜひ挑戦してみて欲しい。

 

特別講演 「病変を見つける目を養う」 ~読影B認定試験、まだ見えぬ撮影A認定試験対策について 新撮影法の実際~

(NPO)日本消化器がん検診精度管理評価機構 理事・基準撮影指導講師

富山県厚生連滑川病院 画像診断部    中谷 恒夫 先生

富山県からNPO法人 日本消化器がん検診精度管理機構の理事および基準撮影指導講師でおられ、その他にも多くの肩書をお持ちである中谷先生をお迎えし、「病変を見つける目を養う」と題して講演を頂いた。

富山県 中谷先生

始めに、「気付く」ことの大切さから話が始まった。追加撮影の必要性は周知の事実であるが、本当に効果的な追加撮影が行われているだろうか。
そもそも所見は撮っている人間にしかわからないので、ライブ上で見つける必要があるが、そのためには目を養う事が必要であり、読影力をつける事が大切であると述べられた。
過去の勉強会で何度も出ているが、馬場先生の講義の中の、読影を学ぶ方法の1番目として、「記憶画像との比較による学習」というものがある。
この方法だと、胃がんのX線画像を数多く見ていれば、一目見た瞬間に病変の形態を推測でき、類似性を求めるだけで良いという利点はあるが、記憶した画像に遭遇しなければ読影できない。
という事で、この方法を用いて読影すると、間違ってしまう可能性のある典型例を、ご自身の経験を含めて呈示していただいた。
ひいらぎ状の辺縁を呈するⅡcの症例を勉強した後に、たまたまバリウム斑のある症例に出会った。バリウム斑の辺縁はひいらぎ状であり、辺縁は浮腫による若干の隆起が見受けられる。圧迫でも陥凹と辺縁のふくらみが確認でき、陥凹の中にはインゼル様の顆粒も見られ、これこそが未分化型のⅡcだと思っていた。
ところが、内視鏡の結果をみて愕然となる。陥凹と思っていた場所は再生上皮粘膜で修復されており、結果はビランであり、悪性所見は認められなかった。
それと比較して、分化型のⅡc症例の提示があった。
どちらも不整型の陥凹があり、周りが隆起している。なのに、片方は良性で、もう片方は悪性である。これをどう判断するのか。
背景粘膜を考えて読影していれば、間違う事は無かったはずとの事である。
中谷先生は、3回転後の最初の二重造影で背景粘膜を見れば、どこにポイントを置いて撮影していけば良いかが絞ることができ、ある程度、当たりをつけるという事も大切なのではと述べておられた。
気付いて、そして顕(あらわ)す。そのためには、がん発生の機序、つまり、どこにどのような癌が発生し、なぜそのような形態になっていくのかを知る事が読影につながるとのことであった。

 

ここから撮影B認定試験について、学会の現状、今後の事業計画、読影B試験の予定についてと話が続き、撮影A認定の試験内容については、初めて詳細が報告された。平成27年2月に第1回目の試験を行う予定で計画が進められているが、9月になるかもしれないとの事である。
試験の内容や合格のコツについても解説があったが、かなり高いレベルが要求されるようだ。

 

続いて症例呈示である。
ヒダの集中を伴う陥凹性病変で、陥凹内には顆粒状の陰影が認められる。背景粘膜は胃底腺領域。実は意外に癌の範囲が広いという難しい症例であった。
術中に取り出した切除標本を手に持ち、指で触って固さを感じ、伸ばしてみて粘膜の伸び具合を確かめている様子や、「芋掘り」と呼ばれるリンパ節のマッピングを行っている様子のビデオが流れた。日頃見る機会の少ない珍しい映像だけに、皆、興味津々で見ていたようである。
そして切除標本とX線画像とを付き合わせて対比する。このように、一つの症例に対して、とことん追求する姿勢と努力とが読影力につながっていくのであろう。
結果は3.5×2.5㎝のⅡcでsig>por2 壁深達度はpT1b2 であった。

第113回
 

中谷先生は病理標本を見る訓練もされていて、私たちにも病理標本が読めると一層楽しくなるからと勉強することを勧められた。
せめて、それぞれの組織型が、どのような細胞の形態をしているかくらいは目に焼き付けて覚えておいた方が良いとのことである。

 

さらに2例の症例の提示があったが、最後の症例は、4回転を行っても粘液がべったりと糸のように筋を引いている胃で、この状態で撮影した写真では何も所見は写っていなかった。
しかし、これではダメだということで、7回転後にやっと粘液が落ちて粘膜が出てきたら、ヒダの集中が現れて、さらに、観察を続けると、その近くに、もう1つ別のヒダ集中が認められたという症例であった。
4回転後の写真と、7回転後の写真では、とても同じ人の粘膜とは思えない程に、7回転後の写真はバリウムの付きが良く、粘膜の微細な構造がはっきりと写しだされていた。
時々、このような粘液ベッタリの胃に遭遇するが、こんな胃だからしょうがないと胃のせいにしていた私だったら、この所見は見つけることができなかった訳で、胃透視と向き合う姿勢を考え直す良い機会になった。
手間を惜しまないことの大切さを教えて頂いた。非常に私の心に残る症例であった。
たぶん、他の皆も同じような思いをされたのでないかと思う。
中谷先生には、お忙しいところ福井までお越しいただき、貴重な症例やご自身の経験まで、惜しむことなく披露してくださったことに感謝し、この場を借りてお礼申し上げます。

 
文責N,Y 校正K,K
 

第112回研究会

会員発表 ビギナーズセミナーⅠ

福井県予防医学協会  平田 智嗣さん

基準撮影法とは、画質の安定とさらなる向上を目的に規定されたもので、必要かつ最小限の体位で組み立てられた撮影法である。
そのコンセプトは、手技が簡明で診断に必要な最低限の画質が得られることと、精度管理の基盤となり成果が期待できることの2つである。
いわば、いつ、どこで、誰が撮っても同じような精度の写真が期待できる撮影方法ということになる。

福井県予防医学協会 平田さん

今回、この基準撮影法について、世話人の平田さんより「ビギナーズセミナー」と題して発表をしていただいた。
まず、基準撮影法の解説に入る前に、胃の各部位の名称の解説からはじまり、二重造影の原理と題して、背臥位、仰臥位、右側臥位、左側臥位など、それぞれの体位時での胃の形とバリウムの位置との関係をCT様の輪切りのイラストでわかりやすく表現してくれた。
次に、対策型と任意型検診について、各撮影法での標的部位と手技の要点について一通りの説明がされ、見落としのない検査を行い、正常か異常かを判別できる写真を撮影するように努めるべきであると結論付けていた。
その後、被ばくについての解説が続き、さらに接遇についての話題にも触れていた。ホスピタリティにおいては、第一印象が信頼への第一歩である。検査前、検査中、検査後、それぞれの状況に応じた声かけや気配りで受診者への不安を軽減してあげることが、安全で質の高い検査につながるとのことであった。

 

その後、任意型検診の撮影法について、スライドを見直しながら会場でのデスカッションとなった。
食道撮影は立位で上部と下部とを膨らんだ状態で撮影することとなっているが、撮影体位としてはホルツクネヒト腔が描出される位置が望ましい事や、病変を見つけることの難しさが話題となった。
続いて、バリウム飲用後に台を倒していく時の体位について、また、背臥位二重造影前の水平位で3回転ローリング時のバリウムの十二腸への流出についての質問があった。
また、前壁二重造影については、逆傾斜の角度、逆傾斜時の体位、枕を入れるタイミング、枕の位置、硬さ、厚みなど多くの質問や意見が飛び交い、皆がこの撮影に苦心している様子がうかがわれた。

第112回

胃上部の振り分け像では、標的部位と体の動かし方についての意見が交わされた。また、会場からは、統計上はECJ直下の小彎には2型の見逃しが多いので、穹窿部にバリウムをしっかりつけて意識して観察する必要があるとの意見が出た。
他にも、圧迫撮影について、圧迫筒を当てる位置、強さ、押し方について、また圧迫が効かない場合にどうするか等、様々な話題が広がった。
さらに発泡剤を水で飲むかバリウムで飲むかについて、いくつかの考えが語られた。
透視中での病変の見つけ方についての質問が出たが、会場の指導員より、単に基準撮影法をこなしているだけでは、所見が見えてこない恐れが多く、それを予防するためには、まず、見たい部位にバリウムを流して病変がないかどうかを確認してから、再度同じようにバリウムを流して撮影というように、観察と撮影とを2段階に分けて行うことで病変を見逃さないようにしているとの意見が出された。これについては、会場からも納得の声が多く上がっていたようだ。
今回は、司会進行がうまく会場を仕切ってくれたので、単に基準撮影法の解説で終わることなく、和気あいあいと様々な意見が飛び交った。初心者の会員にとっては、結構ベテランの技を耳に入れることができ、充実した時間になったのではないかと思われた。
確かに基準撮影法はそのコンセプトのごとく、決まり通りに撮影すれば、最低限の画質は得られると思われる。
しかし、それはあくまでも最低限である。これを踏まえた上で、常に見落としのない精度の高い検査を行うためには・・・やはり日々の努力である。近道はない。

 

会員発表 「鈎状胃・切除胃の撮影のポイント」

福井社会保険病院    和田 宏義さん

福井県立病院      谷嶋 良宣さん

胃は鈎状胃だけではなくいろんな胃形があり、そこが実践において難しい所である。
基準撮影法は体位で基準化することで、胃がん検診の効率化と二重造影像の有効性を計ってきたが、これでは病的診断に有意な胃角正面像が得られにくいとのことで、1枚目の写真は身体の正面位でも胃角の正面像でも良い事になっている。

福井社会保険病院 和田さん

身体の正面位を基準にする場合と胃角の正面像を基準にする場合とでは見えてくる部位が違ってくるとので、椎体の角度を気にして、第1斜位、第2斜位を撮影するのも一つの方法であると説明されていた。鈎状胃に比べて横胃の場合では強第1斜位を追加する必要があり、胃角正面像を基準とした場合、強第2斜位を追加する必要があるかもしれない。
症例呈示で1年前との写真が比較されていたが、各施設で身体の正面位を基準にするのか、胃角正面像を基準にするのかを統一した方が、比較読影の際に困らないのではないかと思われた。
背臥位で捻じれた胃の胃角を写すために、前底部を圧迫筒で押さえてあげることで前庭部の小彎が伸びてきれいに写しだされる方法が紹介された。
検診であれば、腹臥位二重造影の方が捻じれている胃でも胃角を出しやすいので、背臥位正面位で胃角が出ていなくても、腹臥位で胃角が出ていれば充分に成り立つのではないかとのことであった。
また、前壁二重造影で、適切に枕を使用することで病変が発見出来た症例を多く呈示して頂き、前壁二重造影の大切さが改めて感じさせられた。

 

その後切除胃の話に移った。バリウムが流れやすい事を念頭においた撮影の注意点についての説明があり、今、社保で取り入れている対策型と任意型検診の撮影体位が紹介された。
特徴としては最初に一口バリウムを飲んでいただき、フルターンを繰り返して胃粘液と共にバリウムを十二指腸へ流してから、再度、バリウムを飲んで頂き、その後はハーフターンにて検査を行うことである。
残胃癌は噴門部に一番多く、次いで小彎縫合部・吻合部に多いとのことで、写真を撮るときには癌が出来やすい場所を重点的に観察することが大切であるとまとめていた。
最後に、吻合部の口側にある病変など2例が紹介された。

 

県立病院の切除胃の写真が呈示された。
時間の関係で、ざっと写真を流すだけで終わってしまい、せっかく準備していただいたのに申し訳なかったです。

 
文責N,Y 校正K,K
 

第111回研究会

会員発表 平成23年度胃がん検診結果報告 

福井県健康管理協会   西村 宣広さん

福井県立病院      谷嶋 良宣さん

福井県健康管理協会 西村さん

平成23年度に健康管理協会が行った集検にて要精検となり、その後県立病院にて治療された方10名の症例が提示された。
【症例1】
60歳代 男性
アントルム大彎の辺縁不整にて要精検となった症例である。
撮影技師は、透視中に大彎側のラインがスムーズではなく湾入がある点をチェックし、この所見であればⅡc様の変化が出ていることを想定し観察したが、そこに病変はないと判断した。さらに、体下部小彎の隆起様に見える陰影が気になり前壁二重造影を追加撮影したらしい。
精密胃透視を見ても病変がうまく写しだされていない。
結果は胃角部大彎後壁に15×7ミリのⅡc、深達度はmでESDが施行された。
集検時に撮影者が大彎側の所見でⅡc様の変化を想定できたことはさすがであるが、精密胃透視でもうまく写しだせない病変を集検で見つけることは難しかったのか。結果的に早期癌が見つかってホッとする症例であった。
【症例2】
80歳代 男性
M、後壁の隆起性陰影で要精検となっている。
集検の写真では、背臥位二重造影像と振り分け像にて隆起性病変が認められるが、隆起の表面の性状まではわからない。
精密胃透視の写真を見ると、後壁ではなく、体中部前壁に陥凹を伴う隆起性病変が認められた。35×25ミリの2型の癌であった。
集検の前壁二重造影像では病変が写っていない。前壁枕の位置が悪いか、撮影時の観察不足が原因と考えられる。しかし、バリウムが良く付着していたことで、前壁の病変が背臥位でスタンプ像として写りこんでおり、癌の発見につながった症例であった。
【症例3】
80歳代 男性
M、後壁のアレア不整で要精検となっているが、集検の写真を見直すとバリウムの流出がひどく読影が難しい状態である。振り分け像での追加撮影も行っているが、結果的に病変の所にバリウムが流れていない。前年度の集検写真では体中部後壁にヒダの集中を伴う陥凹が写しだされており要精検になっているが精検未受診であった。78×40ミリのⅡcであった。
集検時に前年度の情報がわかっていれば、もう少し有利に撮影を進められたかと思われるが、バス検診ではそれができないので難しい。
【症例4】
60歳代 男性
胃角部前壁のフレッケで要精検となっている。会場より、指摘の場所はバリウムの溜まりによるもので、それよりも背臥位二重造影像にて胃角の開大が認められ、胃体中部~下部にかけての大彎側のラインが不自然であり、病変はその辺にあるのではないかとの声が上がった。
胃角部後壁大彎寄りの10×7ミリのⅡcで深達度はmであった。ESDを施行している。 結果的には他部位チェックで癌が見つかった症例であったが、会場での意見はさすがベテランの読みであった。

第111回

【症例5】
70歳代 男性
胃角部、小彎のフレッケで要精検となっている、集検の写真を見直しても病変が写っているとは思えない。精密胃透視では、背臥位二重造影の第2斜位と圧迫撮影にて胃体下部~胃角部にかけての小彎に病変が認識される。37×15ミリのⅡcでESD施行となった。
集検の写真自体は悪くないのであるが、大きさの割に病変を写しだすことができなかった症例であった。
【症例6】
70歳代 女性
前庭部、小彎の隆起性病変で要精検となった。いびつな形の隆起で表面にバリウム斑があるように見える。Ⅱa+Ⅰ型の早期癌でESDが施行された。
前年度の集検写真を見ると、所見の部位に二重線は認められるが、バリウムの流出により病変が隠れてしまっている。ブラインドが無ければ1年前に発見出来たかもしれない。
【症例7】
壁側不明の隆起性陰影にて要精検となっているが、バリウムの流出が激しく指摘が難しい。会場より前庭部前壁の大彎側のラインが異常なのではないかとの意見が出た。
前庭部小彎前壁に平坦な隆起性病変がありESDが施行されている。X線写真での指摘は困難な症例であった。
【症例8】
70歳代 男性
集検ではM、後壁の隆起性陰影で要精検となっており、そこにも病変は存在したが、実は計3ヶ所に病変がある多発癌であった。
胃体上部~中部の後壁に20×15ミリのⅡa+Ⅱcとその大彎側に2×2ミリのⅡcがあり、前庭部小彎に7×6ミリのⅡaがあったが、前庭部の病変については集検でも精密胃透視でも見つけられていない。全てESDが行われた。

福井県立病院 谷嶋さん

【症例9】
多発癌で今までに何度もESDを繰り返しており、その瘢痕のためにヒダの集中が多くみられる方で、そこを指摘されて要精検となったが、そことは別の場所で癌が発見された症例であった。
【症例10】
切除胃である。胃体上部、後壁の隆起性陰影で要精検となった。集検の写真では、隆起表面に陥凹があるようには見えなかったが精密胃透視では、隆起の表面にバリウムの溜まりがあり陥凹が認められる。3センチ大のⅡa+Ⅱcで、深達度sm2の残胃癌であった。

 

司会者の言葉を借りれば、集検での指摘部分と実際の結果が一致しており、集検、精密胃透視、内視鏡と全ての写真で病変がはっきりと写し出されている症例が理想であるが、なかなか難しい。しかし今回、県立病院だけでも10症例が治療されており、日々の努力が少しずつであっても確実に結果となっている。
年々、ESDが施行される症例が増えており、より早期に発見することの重要性がますます高くなってきていることを痛感した。
そのためには、勉強会等でいろんな症例をしっかり見て、それぞれの形を覚えることで、透視中に病変に気がつく能力を高めることが必要である。

 

平成25年度総会

平成24年度事業報告・会計報告

平成25年度事業計画案

その他

 
文責N,Y 校正K,K
 
 
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Last-modified: Sun, 05 Feb 2017 10:27:55 JST (232d)