平成27年度活動記録

 
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平成27年度開 催 日会  場内  容
第125回3月2日(水)福井県立病院 会員発表「症例提示」
会員発表「小ネタ集 食道~大腸までのポイント」
第124回12月2日(水)福井県済生会病院 会員発表「第45回東海北陸地方会報告」
会員発表「胃癌取扱い規約の解説」
第123回10月7日(水)福井県立会病院 メーカー講演Ⅰ「バリウム造影剤の使用条件等に関するアンケート調査集計結果報告-第2報-」
メーカー講演Ⅱ「大腸3D-CT検査の現状と炭酸ガス注入装置の紹介」
メーカー講演Ⅲ「高濃度硫酸バリウムの特性(実験)」
第122回8月5日(水)福井県済生会病院 ビギナーズセミナー「透視下所見の書き方」
会員発表「注腸X線検査の業務拡大について」
第121回6月3日(水)福井県立病院 会員発表「平成25年度胃がん検診結果報告」
平成27年度総会

第125回研究会

会員発表 「症例提示」

福井県済生会病院    坪内 啓正

    〃         高田 英二

福井県立病院      飯田 圭

≪クローン病≫
クローン病の概念や特徴、その診断基準についての説明から始まった。

福井県済生会病院 坪内さん・高田さん

慢性、再発性の下痢、腹痛の訴えがある場合、過敏性腸症候群であることが多いが、家族歴や全身症状、血液検査等においてクローン病を疑うべき所見が見られる場合には内視鏡検査や画像診断を行うことが必要で、特に痔瘻の所見がある場合には、必ず小腸の連続透視を行っているとのことであった。
内視鏡所見での縦走潰瘍、敷石像と病理所見での非乾酪性類上皮細胞肉芽腫がクローン病の主要所見であるが、診断はクローン病診断基準によって判断される。
臨床において、重症度と予後との関連は乏しいと言われているが、大腸型および小腸型それぞれにおいて大腸癌および小腸癌のリスクが上昇すると言われており、そのことを念頭に置いて検査を行う必要がある。
連続透視の写真が提示された。クローン病の所見としては、・縦走潰瘍・Skip lesion・敷石状(cobble stone appearance)・腸管の狭小・裂溝または瘻孔の5つがあり、それらの所見がわかりやすく表現されていた。
続いて小腸連続透視を行う際の注意点の話になった。透視の際には造影剤の先端を追跡しながら、狭小化、拡張の有無を観察する。狭小化があると必ずそこで造影剤の流れが留まりうっ滞するので、何度か確認することが大事である。
敷石状所見や縦走潰瘍所見は圧迫像の方が描出しやすい場合もあるので、時々圧迫も行いながら確認すると良いとのことであった。
また、小腸連続透視は、造影剤が大腸に入るまで観察を行うが、回腸末端部まで造影剤が届かない場合がある。特にガストログラフィンを使用した場合は造影剤が希釈されて描出が難しくなるが、あわてずに時間をおくことで造影剤が満たされてくる場合がある。その時点で撮影された回盲末端部狭小化の写真が提示された。
また、Skip lesionの症例も提示された。これは腸管のところどころに狭小化が見られる所見で、両側性の場合も偏側性の場合もあるとのこと。きれいに2ヵ所の狭窄が写し出されていた。
小腸連続透視はあまり経験が無かったので、今回、典型的な症例写真を見ることができ、検査を行う際の注意点やコツも聞くことができて大変勉強になった。

 

≪大腸LST≫

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LSTとは大腸腫瘍の発育形態分類で上方向発育に比較して側方向への発育が極端に強い、丈の低い隆起性病変を示し、大きさの定義は最大径が10㎜以上のものである。
LSTは表面平滑な非顆粒型(LST-NG)と表面顆粒結節状の顆粒型(LST-G)に亜分類され、さらにLST-NGは平坦型と偽陥凹型に、LST-Gは顆粒均一型と結節混在型に細分類される。細分類することは、質的診断や悪性度評価、治療法選択を行う上で臨床的に有用であるらしい。
LSTの特徴としては、高さがないため発見しにくく、そのため発見時には2~3割で癌を合併しているといわれている。
表面の観察には拡大内視鏡や色素散布、NBIが大いに役立つようである。大きさのわりに腺腫や深達度の浅いものが多いことも特徴である。
2㎝を超える非顆粒型や結節混在型は、SM深部浸潤癌が多く手術の適応となるが、それ以外のLSTはEMRの適応となることが多いとのことである。
続いて症例が提示された。
症例①
便潜血(+)にてTCFを施行し下行結腸に高分化腺癌の早期大腸癌疑いとなる。
ESDが可能かどうかTCF(EUS)を行い下行結腸早期癌 LST-NG疑いで術前注腸を行った。
注腸前のTCFでは、所見がわりと大きく見えており、病変部位は下行結腸 SD付近でアナル側から40㎝で、病変の口側3センチに2本のマーキングクリップがあるとの情報を得て注腸を行った。
しかし、実際に注腸を行うと、病変があると思われる部位に憩室が多発しており、肝心の病変がなかなか発見できず苦労した症例であった。
丈が低いので非常に発見しづらく、もし、ルーチン検査として行っていたら、見つける事ができたであろうかと思われた。
その後ESDを施行されたようである。
症例②
便潜血(+)にてTCFを行い下行結腸に早期大腸癌 LST-NG疑いの症例である。
AVより40㎝の部位に1/3周性ほどのLSTありとの情報を得て術前の注腸を行った。
先程の症例よりもさらに丈の低い病変で、これもかなり苦労された症例であった。
透視中に病変を把握できていたのだが、それを写真に写し出すことが難しかったようである。
症例③
便潜血(+)にてTCFを行い2㎝大、肉眼型がⅡaのS状結腸癌の症例である。
AVより50㎝の部位に10㎜大のⅠspポリープとAVより40㎝の部位に1/3周性のⅡa病変があるとの情報を得た上で注腸を行った。
撮影後に、透視中に病変だと思っていた部位はポリープであり、本来狙っていた病変ではなかった事に気が付き慌てたとのこと。
LSTは丈が低く内視鏡の印象とは違う事が多いので、注腸では術者泣かせである。

 

≪4型胃癌疑い≫
内視鏡検査で胃角部大彎に3型進行癌疑いで生検を行うが悪性所見が示唆されず、その1ヵ月後と2ヵ月後にも再検査を行うも、いずれも悪性所見が示唆されず、胃透視の依頼を受けた症例であった。
胃角部~前庭部の膨らみと比較して、明らかに胃体下部~穹窿部の膨らみが悪い。体部を圧迫しても形が変わらず硬い感じがする。
胃体部の全周性に病変があり、4型が疑われる印象であった。
バリウムを2口飲んだ時点で十二指腸に流れてしまい、その後、体位変換ごとにバリウムがどんどん流出してしまったようだ。
胃体部のうねって肥厚したヒダと、そのヒダの間に隠れたように存在している潰瘍所見を出せれば良かったが、体部の膨らみが悪くバリウムが溜まってしまっており、二重造影で表しにくい状態であった。
会場からは、これだけ硬い印象であるなら、腹部を触れば硬さが感じられるはずであるとの意見や、CT画像でも壁の肥厚が認められるのではないかとの意見が出た。
まだ結果がはっきりしていないので、CT等他の画像診断も含めて次回の研究会にて報告して頂くことになった。

会員発表 「小ネタ集 食道~大腸までのポイント」

福井県済生会病院    坪内 啓正

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注腸にてS状結腸に憩室が多発している場合や、ヒダが著明にある場合は、そこに病変がある事も多い。
二重造影だけでは、ひだの後ろに隠れている病変などを見逃してしまうことがある。
また、S状結腸に憩室が多発している場合、その部分は壁が弱くなっている事が多く、あまり空気を入れて圧をかけすぎない方が良いとのことである。
このような場合は圧迫や充盈像でよく確認することが大切である。

 

進行癌の症例でアップルコアにて狭窄が強い場合は、アップルコアより奥にバリウムを入れてしまうと、狭窄の程度によってはバリウムが戻ってこない場合があるので、一度少量のバリウムを奥に入れてみて、戻るかどうかを確認した方が良い。
また、進行癌の病変部分は壁が弱くなっており、圧をかけすぎると穿孔する恐れもある。
他の画像診断で確認できる場合もあるので、それらを利用することも大事である。

 

回腸末端にバリウムを流したくても流れない場合は、回盲部にバリウムを溜めてから、強度の第一斜位としてバリウムをバウヒン弁上にためて回腸末端部を下にして、大きい息をしてもらい空気を押し入れたり圧迫したりすると良い。

 

小児逆流を見たい場合、造影剤を口に入れてもなかなか飲んでくれない。
そのような場合は、チューブを胃内に入れて造影剤を注入する。
そのままだと逆流現象は起きにくいが、軽い第2斜位にすると逆流することがある。
誤嚥のおそれがある場合はガストログラフィンの使用は禁忌である。

 

食道ステント後の造影漏れの観察では、立位で造影剤を飲んでもらうとすぐに流れてしまうので、臥位か半立位ぐらいで造影剤をなるべく滞留させるように流した方が良い。
わずかな造影剤漏れは透視では分かりづらいので、写真で確認し、淡い高濃度線状陰影に注目する。

 

描出が困難であった早期胃癌の症例
内視鏡にて前庭部小彎に中央に陥凹を認める隆起性病変を指摘されている。
この術前透視を行うことになったが、二重造影では前庭部のふくらみが悪く病変が思うように出てくれない。
腹臥位二重造影も身体の大きい方で何度か試みたがうまく前庭部を写し出す事が出来なかった。
立位にて前庭部を圧迫したまま台を倒しながら撮影することで前庭部を矯正させて膨らんだ写真を撮ることができた。
会場からは腹臥位二重造影で出す事ができなかったのが残念で、腹臥位充盈にて枕を使用しての圧迫等も行ったらどうであったかなどの意見が出た。
内視鏡では隆起がはっきり確認できたので自信を以て臨んだが、実際に行ってみると思うように病変を写し出せずに苦労したようである。
病変部位を確認して事前のシミュレーションを十分に行っていても、病変部位によっては、このような状況に遭遇することも多い。
あせらず冷静に対応できるように多くの症例を経験し、このような勉強会で検討することを地道に積み重ねていくしか上達の方法はない。

 
 
文責N,Y 校正K,K
 
 

第124回研究会

会員発表 「第45回東海北陸地方会報告」

福井県健康管理協会    西村 宣弘

福井県立病院     飯田 圭

福井県立病院 飯田さん

第45回日本消化器がん検診学会 東海北陸地方会にて福井県立病院の飯田 圭さんが発表された「胃透視における読影困難な症例と検討」を、当日出席できなかった会員のために、研究会で再度発表していただいた。
胃透視において、ルーチン通りの撮り方では胃の形状や被写体の体格などが原因で読影困難な部位が発生してしまう。
そのような症例を減少させるにはどうしたら良いかということで、平成25年度に福井健康福祉センター管内の検診において発見された胃がん症例の中から1年前の検診では異常なしと診断された症例を取り上げ、病変の評価が困難であった原因とその対策を検討したという内容であった。
平成25年度のがん発見率は0.16%(全国平均と同等)、がん発見数43件、その内進行がん8件だったそうである。
がんが発見された43症例中、報告があった33症例を対象にがんの発生部位を分類したところ、M領域小彎に好発していた。
33症例中、1年前にも検診を受けていた症例は22症例(早期がん17例、進行がん5例)あり、そのすべてが1年前の検診では異常なしと診断されていたらしい。
逐年検診で偽陰性となる原因は撮像技術によるものが大きい。
穹窿部、前庭部、小彎、後壁の病変が偽陰性になりやすく、前庭部や後壁では十二指腸に流れ出たバリウムが偽陰性の原因となることも多いようである。
今回、検討された症例は胃角部小彎前壁に病変が存在し、異常なしと診断されてから1年の間に切除不能にまで進行していた。
1年前と発見時との画像の比較を行ったが、1年前の画像では病変ははっきり写っていない。
描出範囲の確認のためにストマップを用いて描出評価を行ったところ、胃角部小彎前壁付近に評価困難な部位があった。
読影結果の検討では、バリウムの付着、胃の拡張具合には問題はなかったが、胃角部正面像が描出できておらず、バリウムによるブラインドで胃角部付近の描出が不十分であることがわかった。
検査の際には病変の好発部位を意識して、描出不良部があればそれを補うための追加撮影をすることが重要であり、今回の症例では前壁撮影において枕を適切に設置する、ヒップアップ法や圧迫撮影を行うなどの追加撮影を行っていれば早期胃がんを発見できた可能性があったとまとめていた。
見逃しの症例は過去に何度も発表されており、そのたびにバリウムの付着を良くすることやブラインドを無くすことが大切であると言われ続けてきているが、それでも見逃しが無くならないことも事実である。

福井県健康管理協会 西村さん

福井県立病院の宮永先生は、胃がんX線検診においては、未受診群と偽陽性群との生存率は同じであり、両群を減らす事が大切であるという内容を発表されており、偽陰性を減らさない限り、胃がん検診の精度の向上は望めないと思われる。
厚生労働省のがん検診の在り方に関する検討会は、胃X線検査の対象を50才以上、受診間隔を2年に1回とする提言を行ったとのことで、せっかく受診されても、そこで見逃してしまったら、2年後まで検診の機会が訪れないことになる。
今回検討した症例のように、前回の検診で異常なしであったにも関わらず、進行がんで発見されることがないように、よほど気を引き締めなければならない。
ちなみに、福井県では今のところは、バリウムでの胃X線検査に関しては毎年受診しても差し支えはないという方向に落ち着きそうであるとのことであった。
また、胃X線検査での残胃進行がんの見逃し症例についての発表があったということで、残胃の撮影法についての質問が出た。
会場からは、吻合部の場所によってバリウムの流れやすさは違ってくるが、それを確認した上で、空気とバリウムをなるべく残した状態で撮影するために、バリウムを小分けにして飲んでもらったり、台を傾けたり、さらに口に含ませて撮る時に飲んでもらったり、逆回転で流れたバリウムを回収したり等の様々な工夫が紹介された。
平成25年度消化器集団検診全国集計報告がまとまり、平成27年10月のJDDWにて報告されたが、支部別集計にて的中度が、他の支部は全て1.0以上で北海道支部では1.65であるにも関わらず、東海北陸支部では0.77であったとのことである。
これは問題にすべき数値であり、今回の地方会で報告されたそれぞれの発表を参考にしながら、さらなる努力が必要であると感じられた。

会員発表 「胃癌取扱い規約の解説」

福井県予防医学協会    片田 武彦

福井県予防医学協会 片田さん

昨年の第118回研究会でも胃癌取扱い規約の解説を話して頂いたが、残念ながら途中で時間切れとなったために、今回、再度発表して頂いた。
胃癌の分類方法にはいろんなものがあるが、胃癌取り扱い規約は、胃癌をどのように分類するかという日本での取り決め、約束事であり、記載の方法については細かい決まり事がある。
この決まり事については一つずつ覚えて理解していくしかない。
前回も述べたが、この規約を理解して自分の行った検査結果の情報をフィードバックすることで読影力や撮影技術の向上に繋がることになり、胃癌取扱い規約を学ぶ目的はそこにある。
そのためにもしっかり理解することが大切である

 
 
 
 
文責N,Y 校正K,K
 
 

第123回研究会

メーカー講演1 「バリウム造影剤の使用条件等に関するアンケート調査集計結果報告-第2報-」

カイゲンファーマ株式会社 金沢営業所所長  山下 誠司 様

バリウム造影剤に関するアンケートとのことであったが、胃透視に関わる全般について、細かい聞き取り調査がされていた。

カイゲン 山下所長

このアンケートは6年前より、3年に1度の間隔で行われており、2回目以降は結果をまとめた小冊子も発行している。
今回は3回目の集計となり、昨年11月から今年2月までの約3カ月間にわたって、全国922施設にて行われた調査の結果を発表して頂いた。北陸3県では21施設から37回答が得られたようで、北陸地域だけのデータを抜粋することで、北陸と全国との比較も知ることができた。
まず、バリウム製剤についてであるが、単独使用か混合か併用か、包装形態はボトルタイプか袋入りか、その場合の包装容量について、また、バリウム製剤の調整時期、使用濃度、投与量等についての集計結果報告があった。
袋入り製剤に比べて、ボトル製剤の使用が増加傾向にあるのは、ミキサーの衛生面やミキサーにかかるコストの影響があるかもしれないとのことであった。
今は、全国で70%、北陸では75%でボトルタイプが使用されている。1人1本使用の300ℊまでのタイプが一番多く使われているが、最近では3.5~4㎏のボトルタイプの使用も増えて来ているらしい。
使用濃度は全国では92.6%が、北陸では86.5%が200w/v%以上を使用しており、投与量は150㏄が一番多いが、バリウム濃度の上昇に伴い120~140㏄の使用も増えてきている。
続いて発泡剤については、投与量、発泡剤の服用液とその量についての結果が紹介された。服用液は、6年前と比較すると水での服用が減少し、バリウムまたはバリウム希釈液での服用が全国では50%を超え、北陸では約80%に増えていた。
撮影に関しては、対策型、任意型それぞれの撮影方法、1時間あたりの撮影人数等を調査していた。前壁枕を使用するようになってからは、1時間あたりの撮影人数が減少しており、対策型検診で10~14人、任意型検診で4~6人との回答が最も多かったようである。

会場風景

その他にも精度管理やリスク管理についても調査されており、便秘対策としては具体的な指導内容や下剤の種類について、また、誤嚥対策についての調査も行われていた。
最後に胃X線による背景胃粘膜の観察やチェックをおこなっているのか、問診にピロリ菌に関する記載があるのか、ハイリスク(ABC)分類については認知度や導入時期、実施数などの結果が紹介された。
会場からの質問では、バリウムの液温が25~30℃との結果が一番多いが、その温度が一番適温なのか、それはなぜなのかとの意見が出された。製造時の温度が30℃前後であることと、バリウムの粘度が安定して高い精度が保たれる温度であるためらしいが、夏と冬では水温が変化するので、一年中同じ粘性を保つために温度を管理している施設もあるとのことであった。
アンケートの回答の中で、検査の2時間前に水を飲ませていることについての質問も出た。北陸で行っている所は無いが、全国では数年前より試みている施設があるらしい。
バリウムを作る際の水の水質によってバリウムの質も変わるのか、また、ボトルタイプでは昔のように脱気が出来ないが、気泡は生じないのか等の質問が出たが、最近のバリウムは脱気しなくても、写真に影響するような気泡はほとんど生じないとのことであった。

メーカー講演2 「大腸CT検査の現状と自動炭酸ガス送気装置の紹介」

堀井薬品工業株式会社 企画開発部 企画課課長   飯山 雅己 様

堀井薬品 飯山課長

大腸CTについては過去にも何度か話を聞く機会があったが、今回の講演では大腸CTの現状と、自動炭酸ガス送気装置「エニマCO2」の紹介について話をされた。
年々大腸がんの死亡率が増加し、女性のがんでは死亡率が1位となり、大腸がんに対する関心も高くなってきているが、海外と比較すると日本の大腸がん検診の受診率はまだまだ低い。
また、せっかく大腸がん検診を受けても要精検となった場合に、注腸や大腸内視鏡には恥ずかしさや苦痛を受けるイメージがあり、なかなか精密検査の受診につながらない現状がある。そのような中で大腸CTが脚光をあびてきている。
大腸CTの現状ということで、大腸CTの利点と欠点、検査の手順、前処置についての説明がされた。
注腸や大腸内視鏡と比較すると詳細な画像描出はできないが、前処置で大量の下剤を飲まなくても検査が可能であり、炭酸ガスを注入することで腹部膨満感やそれに伴う痛みも軽く、2体位を撮影するだけで終了する。
今まで大腸の検査を敬遠してきた方にも気軽に受けてもらえやすい検査であり、これが大腸の検査を受けるきっかけになってもらえれば、大腸がんの早期発見率も高くなり、死亡率の低下につながるであろう。
また、その他に、CTでの血管造影像とフージョンすることで、病変周囲の血管の走行が把握でき、腹腔鏡手術のシミュレーション画像としての使い方もできる。
大腸CT検査画像の構築のポイントは、「造影剤で正確にタギングされた前処置」と「大腸の均一な拡張」の2つである。
腸管拡張に炭酸ガスを使うと、腸管からの吸収が空気の130倍と非常に早いため、いつまでも腹部膨満感が残らない。
また大腸CT撮影加算の適応の基準にもCO2を使うことが必要条件になっている。
ただ、吸収が早いので、持続注入していないと検査中に腸がしぼんでしまうこともあり、自動送気装置を使用した方が便利であるということでエニマCO2の紹介がされた。

会場風景

バウヒン弁がゆるいとガスが小腸まで流出してしまうことがあるが、このエニマCO2では、一定時間停止せずに送気が続いた場合に、自動的に設定圧を下げて小腸へのガスの流出を抑制するAuto Selectという機能が備わっている。
また、残液や腸管の走行が原因で一時的な閉塞を起こして、腸が少ししか膨らんでいないのに送気が止まってしまう場合は、腹部のマッサージや大きな深呼吸をすることで解消していることも多いが、エニマCO2には圧力の上限設定を解除して、圧力をゆっくりと上げて送気することで閉塞を解除するForce Flowいう機能があるらしい。閉塞が解除されれば圧力が下がっていくそうである。
付属品としてカテーテルと腹臥位用クッションの紹介があった。カテーテルはガスを注入するだけなので細く違和感が少なくて済む。カテーテルのバルーンはシリコンでできており、空気で膨らませたバルーンの周囲に炭酸ガスが充満すると、一時的にバルーンが2倍ほどに膨らんで破裂することがあるので、注意が必要であるが、破裂しても受診者に対しての影響はないそうである。

メーカー講演3 「高濃度硫酸バリウムの特性」

伏見製薬株式会社 営業本部課長       竹内 修平 様

高濃度バリウムは、高濃度低粘性によりコントラストが向上し、飲みやすく、少量飲用で二重造影の描出域が拡大するという利点がある。
硫酸バリウムは1932年より日本薬局方に収載され、1986年の第11改正にて沈降試験が削除されたことにより粗粒子の使用が可能となり、そこから高濃度バリウムの開発が始まったようである。

伏見製薬 竹内課長

硫酸バリウムの基礎知識として、バリウムの製造方法、硫酸バリウムの物性、粒子の大きさ、添加剤についての話がされた。
硫酸バリウムは重晶石から作っているが、塩化バリウムと硫酸ナトリウムを反応させて硫酸バリウムの粒子を合成している。反応時の温度や精製するときのそれぞれの濃度を変えることにより粒子の大きさや形状を変えることができるそうである。
微粒子(1µm)と粗粒子(10µm)とを比べると表面積が大きく違うため、同じ重さの粗粒子に比較すると微粒子の方が10倍の表面積となり、微粒子は粗粒子に比べて懸濁するのに必要な水の量が10倍になる。このように微粒子と粗粒子では、水に対する懸濁安定性が変わってくる。
乾燥方法による粒子の違いもあるそうで、スプレー乾燥したものは容器内での流動性がよく扱いが簡単であり、乾燥粉砕したものは製造しやすく安定しやすいとのことであった。
続いて、最新の商品である硫酸バリウム散99.5%「FSK」についての紹介があった。
大きな粗粒子と小さい微粒子とを配合し添加剤の選定を行うことで非常に安定性のある製剤になっているそうである。
10年以上前の製剤は微粒子と中粒子を多く配合していたので、懸濁時の安定性が悪く、そのために前日撹拌や撹拌後の脱気をして小さな粒子の間に含まれている空気を抜いてから撮影していた。
最近の製剤は非常に大きな粗粒子を配合しているので、非常に少量の水でも懸濁できるようになっている。懸濁時の安定性は良いが大きな粒子を使用するほど沈殿しやすい特徴があるので、懸濁後は撹拌しながら使用する必要がある。

実験風景

濃度は210%前後での使用で製剤設計をしているとのことで、まだ北陸地域での使用は少ないそうであるが、ぜひテストして評価していただきたいとのことであった。
その後、硫酸バリウムの実験に移った。
3つの粉末が用意された。何も添加剤を加えていない粗粒子と微粒子2つのバリウムで、同じ150gであるが粒子の大きさの違いで量の違いがわかった。
そこに、80㏄の水を加えて箸で混ぜてみた。全て同じ濃度ではあるが、粒子の違いによって懸濁性の違いがわかる。どれも箸が回りにくく固い感じである。
微粒子の方に粘調剤AとBをそれぞれ入れる。今までの固い感じが急にサラッとした滑らかな感じになってくる。
その両方に発泡顆粒を入れると片方は影響が見られないが、もう片方は石酸ナトリウムの影響を受けて増粘しているのがわかる。増粘してないBの中に人口胃液を入れると再びドロッとしてきた。胃の中の酸によって変性しやすい添加剤があることを示していた。
添加剤によっては、発泡剤や胃液の影響を大きく受けるものもあり、同じ硫酸バリウムでもこうも変わるのかと思った。添加剤の重要さを感じた実験であった。

 
文責N,Y 校正K,K
 
 

第122回研究会

会員発表 「注腸X線検査の業務拡大について」

春江病院        前川 晃一郎さん

平成27年4月に診療放射線技師法が改正され、技師が下部消化管検査の際にカテーテルを挿入して、造影剤や空気を注入・吸引することができるようになった。
今回、CTC検査での炭酸ガスの注入は適応外となっているが、IGRT放射線治療にて、腸内ガス吸引のためのカテーテル挿入も技師が行えるようになった。
法律の一部改正に伴い各地で講習会が行われているが、先日、前川さんが受講されたとのことで、その内容を報告してもらった。

春江病院 前川さん

まず、下部消化管検査を行うにあたり、業務に必要な知識・技能・態度についての説明があった。
前処置から検査中、検査後に至るまで、検査を受ける方の心理を理解して、思いやりの心を込めた接遇を行わなければならない。
特に高齢者や女性には、いっそうの配慮が必要であり、乱暴な扱いや横柄な態度はもってのほかである。
また、透視台やプロテクターに汚れがないように環境にも気を使い、検査室等の整理整頓を行う事も全て「接遇」に含まれる。
まず、受診者の氏名は、必ず相手に名のっていただいて確認する。
また、相手の顔を見て丁寧な挨拶をおこなうことからコミュニケーションが始まり、これで検査の出来、不出来が決まると言ってもよい。
前処置の段階では排便の回数や便の色を把握し、特にお腹の張りがある場合は、狭窄やイレウスがないかを確認する必要がある。
検査の説明を行うには、解剖はもとより、鎮痙剤や造影剤に関する薬理、感染管理、医療安全対策等についての十分な知識が必要である。
検査終了の合図は必ず受診者の近くで伝えて、出来るだけ早くバリウムと空気を抜いてあげる。
検査終了後は水分を摂取して頂くことを伝えると同時に、検査を無事に終えられたことへのねぎらいの言葉をかけ、受診者の方に、がんばって検査を受けて良かったと満足した気持ちを持って帰って頂くことが大切であると述べた。
続いて解剖の話になった。
注腸に直接関係は無いが、「大腸の中で、盲腸に炎症が起きやすいのは何故か・・・?」との問いかけがあったが、会場の中で答えられた人は何人いただろうか。
小さなことでも常に疑問を持ち、それを突き詰める姿勢にいつもながら感心させられた。

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カテーテル挿入の際には、直腸肛門角を理解することが非常に重要となる。
直腸肛門角は肛門管の軸と直腸の軸との角度のことであり、ほぼ90度である。この角度があることで便失禁の予防と排便動作を促している。
また、肛門周囲には内肛門括約筋と外肛門括約筋があり、内肛門括約筋は不随意筋で自らの意志では動かせないが、外肛門括約筋は随意筋であり自らの意志で動かせ、排泄等の場合に運動している。
直腸肛門部と合わせて、もう一つ理解しておくべきなのが腹膜反転部についてである。
注腸の側面像を見ると、直腸の内面には横皺が3本見られ(3本がはっきりと確認できることは少ないらしいが)、肛門近くからLower Houston valve、 Middle Houston valve、 Upper Houston valve となる。
中央のMiddle Houston valveがRaとRbの境界となり、腹膜反転部の高さとほぼ一致する。
注腸検査でのカテーテル挿入時において、重要なポイントは、
① 直腸肛門角があることを理解して、カテーテル挿入の際に直腸前壁を損傷しないようにすること。
② カテーテルが腹膜反転部を越えてしまうと、もし粘膜を損傷した場合に腹膜に刺激を与えてしまうので、そこを越えないようにすること。
この2つである。
カテーテル挿入時は、左側臥位で足を曲げて前屈状態になってもらい、椎体に沿って真っすぐに、通常は5㎝を目安に挿入するとよいとのことであった。
肛門から直腸までの長さは男女で少し違うことも把握しておいた方が良い。
バルーンへのエアー量は教科書的には通常15~20ccとなっている。
これは便をもよおしたくなる一歩手前の量とされているらしいが、個人差が大きく、特に高齢者は様子を見ながら追加していくことが必要である。
造影剤の薬理についてはガストログラフィンについての説明がされた。
ガストログラフィンは漿膜への刺激が少なく、蠕動運動を亢進する等の特徴がある。
検査終了の際には、下痢を起こす事を伝える事が必要である。
その後、前川さんの施設で行っている検査の手順が紹介された。
バリウムや空気の注入について、会場からは、S状結腸に憩室が多発している場合や炎症を起こしている場合は、固く膨みにくいが、空気を少しずつ送りながら、慎重に検査を進めていくしかないとの意見が出た。
腫瘤による狭窄がある場合も無理をしない事が大事である。
他にも感染対策についての質問や、人工肛門からカテーテルを挿入する場合について等の質問があった。

ビギナーズセミナー 「透視下所見の書き方」

福井県健康管理協会       木村 一雄さん

今回、木村会長の施設で実際に使われている所見レポートを提示していただき、レポートの書き方についての話をしていただいた。
レポートを書くにあたり、まずは、病変の部位が正確に表現できるように、解剖を頭にいれておくことが必要である。
また、所見はシンプルに書くように心がけているとのことであった。
高齢者や身体がスムーズに動かせない方などは、撮影時の状況を書き加えることもあるようだ。
また、バリウムが十二指腸に流れたり、フォルニクスの折れ曲がりが弱く、呼吸でバリウムが体部に下がったりしてブラインドが多い場合には、他の追加撮影を行うことでブラインドの部位を補った症例も提示していただいた。

健康管理協会 木村さん

透視中に気になる箇所があっても、写真にはなかなか写ってくれない。バリウムののりが悪いとなおさらである。
今回、提示された症例も、透視中に体上部後壁にひだの集中を伴う陥凹に気付いたそうであるが、ルーチン撮影ではハッキリと写っていなかった。しかし、バリウムを何度か流すことで、レリーフの集中を伴う陥凹が写し出されていた。
その他、いくつかの症例が紹介されたので、その中で気になった例を紹介させていただく。
アントルム大彎側に陥凹性病変があり、3型進行がんが疑われるとレポートされた症例では、最後の圧迫撮影にて陥凹部分は良く表れており、固さも表現されていたが、周堤を写し出す事が出来なかったので、そのまま寝台を倒して再度二重造影を撮影することで陥凹と周堤を表現していた。
胃体上部後壁に低い隆起があるとレポートされた症例では、バリウムを流して病変を写し出すことはできていたが、さらに、隆起の中に陥凹は無いのか、またはブリッジングホールドの所見は無いのか等を考えて良性か悪性かを判別できる写真を撮るべきであると述べていた。
体下部小彎に陥凹性病変が認められるとレポートされた症例では、やはり透視中に細い線のような陥凹とその周囲が少し隆起していることに気がついたが、思うように写ってくれず、追加の流し撮りでやっと病変が把握できる写真が撮れたとのことであった。最後の圧迫にて陥凹と周囲の隆起がきれいに写し出されていた。
また、体上部後壁小彎寄りに陥凹性病変があるとレポートされた症例は、第1斜位にて寝台を起こしてきた時のバリウムの流れを見ていて、バリウムの溜まりに気がついたそうである。
このように、いずれの症例からも、透視中の観察がいかに大切かということが感じられた。
最後に撮影のポイントをまとめていただいた。
隆起性病変の撮影では隆起の輪郭を追って隆起の立ち上がりは急なのか、なだらかなのか、上皮性なのか非上皮性なのか、良性か悪性なのかを判断できる写真を撮る必要がある。
陥凹性病変の撮影では陥凹境界の所見、陥凹面の所見とひだの所見を表すことが必要である。これらを表現することができれば、自然に良いレポートが書けることになる。
悪性病変であれば、未分化型がんと分化型がんの特徴を写し出してレポートにする必要があるとまとめた。
会場からは、レポートにて所見をどこまで述べれば良いのかとの質問が出たが、今は技師にレポートを書いて欲しいと言われるドクターが増えており、読影の補助としてレポートが求められている時代である。できるだけ診断に結び付くようなレポートを書くべきであるとの意見が多かった。
そのためにも、透視中の観察と、所見に気がついた時には、その特徴を写し出すための技術と知識が必要であると改めて感じさせられた発表であった。

文責N,Y 校正K,K   
 
 

第121回研究会

会員発表 「平成25年度胃がん検診結果報告」

福井県健康管理協会      西村 宣広さん

福井県立病院       飯田 圭さん

平成25年度の集団検診で異常が指摘された方の中で胃癌が発見された6例について症例報告がされた。
集検の写真については健康管理協会の西村さんに、精密検査については県立病院の飯田さんに解説をお願いした。

 
福井県健康管理協会 西村さん

【1例目】64才・男性
集検の写真は牛角胃気味で撮りにくい胃形ではあるが、バリウムの付着が悪く、空気量不足であり、バリウムの流出によるブラインドも多く情報量の少ない写真となっている。
会場の読影者はチェック事項として、逆流性食道炎が認められる。胃体部の大彎側の二重線が認められるが空気量不足によるものかもしれない。胃体中部の大彎側にくびれがあるが、これも弯入なのかどうかがわからない。前庭部の情報はこの写真では得られないと読んだ。
非常に読影しづらい写真であるが、読影医は「M・大彎・レリーフ粗大」で要精検とした。
前年度の検診時の写真が提示されたが、この時は胃の膨らみも、バリウムの付着も良くアレアが観察できる写真であった。この時は「異常なし」であった。
内視鏡の結果は、前庭部、後壁小彎寄りの3×3㎜のⅡcでtub1の深達度mの早期癌でESDを施行されていた。
結果的には異所指摘で、偶然3㎜の早期癌が発見された。この癌を検診で写し出すことは難しいと思われるが、精密胃透視を行っていたら写し出せたかどうかが気になるところである。
空気量不足が気になる写真であったが、ゲップが出て胃の膨らみが悪い方に対して、どんな工夫をしているかについて会場から意見が交わされた。発泡剤の選択や飲ませ方、また、ゲップが出やすい体位をなるべく避けてローリングする等の意見が出された。受診者の体型によっては、始めから発泡剤の量を少しだけ控え目に飲んでもらった方がかえってゲップ抑制の効果があるとの意見も出された。
【2例目】
撮影者は最初の二重造影3枚で所見に気が付いて追加撮影を行っていた。まず、その3枚だけが提示され、会場の読影者は前庭部後壁の透亮像を指摘した。その後、他の写真も提示され、前庭部小彎に隆起性陰影が認められると読んだ。
集検の写真では隆起だけのように見えたが、精密胃透視では隆起の中に陥凹が認められた。
前庭部小彎の38×37㎜のⅡa+Ⅱcで組織型はtub2>tub1>por1、軽度のリンパ節侵襲あり、粘膜下層にわずかに浸潤しているとの結果で幽門側胃切除をされていた。
会場からは、最初の二重造影で小彎のラインを追っていくと、前庭部に不整な陰影欠損像が見られ、そこに病変があると気が付くべきであるとの意見が出た。

福井県健康管理協会 西村さん・福井県立病院 飯田さん

【3例目】67才・男性
胃の形が悪く、胃角がはっきり出ている写真がない。
会場の読影者はレリーフの粗大が認められ、胃体部のレリーフを追っていくと、中断した辺りにバリウムの溜まりが認められると読んだ。
また、他の読影者は胃角の直線化があり、その辺りの粘膜の構造が周りの粘膜と違うように見える。胃角をまたぐように、周堤様の隆起に囲まれた陥凹性病変があるようにも見えると読んだ。
詳細は不明であるが、胃角小彎を中心とした広い範囲の3型ないし4型で大動脈と肝臓に転移があり切除不能とのことであった。
1年前の検診では「異常なし」であった。しかし、再度写真を見直すと、胃角部の小彎線に直線化が見られる。それに気が付いて胃角をきれいに出す努力を行い、振り分け像の時にバリウムが流れる様子を観察していれば、1年前に病変を見つける事ができたのではとの意見が出された。1年前の結果が残念な症例であった。
【4例目】66才・男性
前庭部小彎のアレア不整で要精検となり、内視鏡にて胃体部小彎にⅡc様の病変が認められたが、あまりにも小さいがために、現在フォロー中となっている症例であった。
【5例目】80才・男性
読影者は前庭部から胃角部にかけての大彎側の隆起性陰影を指摘した。会場からは側面像ばかりで正面像が少ないが、隆起が単発なのか、二つの隆起が塊状になっているのか、また、隆起の表面の性状や周囲の粘膜とのアレアの違いが読めるかどうかとの指摘があった。
前庭部大彎の32×22㎜の0-Ⅰ型で、組織型はpor1>tub2>mucで腫瘍は粘膜下層に深く浸潤している。浸潤部では周囲間質、癌胞巣内にリンパ球浸潤が強くcarcinoma with lymphoid stroma 様である。中程度のリンパ管侵襲ありとのことであった。幽門側胃切除がされていた。
【6例目】66才・女性
どの写真でも胃角部小彎に変形が認められており、会場からもそこがチェックされたが、前壁二重造影では胃角部にバリウムが溜まっており肝心な所が観察できないのが残念であった。
2ヶ所に病変がある症例であった。胃角部小彎前壁に0-Ⅱc病変があり、組織型はtub1>tub2>por2で粘膜下層深くに浸潤、一部固有筋層にも浸潤していた。軽度の脈管侵襲あり。
そのすぐ肛門側に軽微な0-Ⅱa病変があり、組織型はtub1であった。

 

今回発見された胃癌は、ほとんどが早期癌であったが、3例目の症例は残念な内容であった。救命効果の高い早期癌を発見できてこそ検診の意味がある。この悔しい思いを心に刻んで、同じことを繰り返さないように、明日からも日々勉強である。

平成27年度総会

平成26年度事業報告・会計報告

平成27年度事業計画案

 
文責N,Y 校正K,K
 
 
 
 

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Last-modified: Mon, 12 Jun 2017 13:27:12 JST (41d)